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中学生でも解ける外伝 高校入試難問73★★★ 慶應志木高

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新年になったので、高校入試が終わるまで高校入試の難問を紹介することにします。

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問題
★★★

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図のように、3つの円A、B、Cが互いに外接していて、円Aと円Bの共通外接線lと円Bと円Cの共通外接線mは平行である。また、円Aと円Cの共通外接線nとの接線をそれぞれD、Eとする。円Aの半径が5、△ADEの面積が20であるとき、円Bの半径rと円Cの半径r’をそれぞれ求めよ。

 

 

 

ヒント、着眼点

円が接する問題は、円の中心と接点をとにかく結ぶことで直角三角形を作るのが定石です。

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△ADE=20より、DE=8はすぐに分かります。すると、円Aと円Cと共通外接線nについて、上のような直角三角形を作れば、r'が求まります。

この問題で難しいのは、rの値です。l//mをどう活かすかがポイントです。

 

以下、解答

 

 

 

 

 


解答

r=8

r'=16/5

 


解説

r'を求める

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△ADE=20より、DE=8

上図の赤い直角三角形で三平方の定理より、

 (5-r')^2+8^2=(5+r')^2\\r'=\frac{16}{5}

 

rを求める

rを求めるために、l // m を使いたい。

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そこで、l // mを、この図におけるFH=GA+JC+CI という形で用いる。この図における直角三角形ACJの三辺の長さは、
\mathrm{AC}=5+r'=\frac{21}{5}\\\mathrm{CJ}=2r-\frac{41}{5}\\\mathrm{AJ}=\mathrm{FG}-\mathrm{HI}

と表すことができるので、FG-HIをrで表すことができればよい。

 

FG-HIについて

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△ABPで三平方の定理を用いる。
\mathrm{FG}^2+(r-5)^2=(r+5)^2\\\mathrm{FG}^2=20r\dots①

△BCQで三平方の定理を用いる。
\mathrm{HI}^2+(r-\frac{16}{5})^2=(r+\frac{16}{5})^2\\\mathrm{HI}^2=\frac{64}{5}r\dots②

すると、
\mathrm{FG}^2:\mathrm{HI}^2=100:64
となるから、
\mathrm{FG}:\mathrm{HI}=5:4
であるので、
\mathrm{HI}=\frac{4}{5}\mathrm{FG}
すると、
\mathrm{AJ}^2\\=(\mathrm{FG}-\mathrm{HI})^2\\=(\mathrm{FG}-\frac{4}{5}\mathrm{FG})^2\\=\frac{1}{25}\mathrm{FG}^2\\=\frac{4}{5}r\ (①より)

 

※①、②から
\mathrm{FG}=2\sqrt{5r}\\\mathrm{HI}=\frac{8}{5}\sqrt{5r}
として、
\mathrm{AJ}^2\\=(\mathrm{FG}-\mathrm{HI})^2\\=(2\sqrt{5r}-\frac{8}{5}\sqrt{5r})^2\\=\frac{4}{5}r
としてもよい。

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改めて△ACJで三平方の定理より、

\mathrm{AJ}^2+\mathrm{CJ}^2=\mathrm{AC}^2\\\frac{4}{5}r+(2r-\frac{41}{5})^2=(\frac{41}{5})^2\\\underline{r=8}

 

2つの円と共通外接線があったら直角三角形をつくる、というのを3回繰り返す、大変な問題でした。これをちゃんと解けた受験生はごく一握りでしょう。

 

 

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