日比谷高校のススメ

日比谷高校出身者たちが日比谷高校の紹介や、勉強に関する様々なことを語ります。

中学生でも解ける外伝 高校入試難問38★★ 2003年都立西高

↓ここからカテゴリー別に記事を見ることができます。↓

★  ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら完答できるべき。

★★ ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら半分くらい解ければ十分。

★★★...難しすぎる、いわゆる捨て問。

 

2003年の問題です。途中の小問を1つ除いています。

 

問題

★★

f:id:hby:20190111225955j:plain

図の、曲線Cはy=kx^2のグラフである。ただし、k>0である。

直線lは変化の割合が1/2で、曲線Cと2点A, Bで交わっている。点A, Bのx座標はそれぞれ6,-4である。

以下の問いに答えよ。
(1) kの値と直線lの式を求めよ。

(2) 原点Oから直線lにひいた垂線と直線lとの交点をHとするとき、線分OHの長さを求めよ。

(3) △OABを直線lを軸として1回転させてできる立体の体積を求めよ。

 

 

 

ヒント、着眼点

(1) 2次関数に関する受験のテクニックとして、次があります。

y=ax^2について、xがpからqまで増加するときの変化の割合は、a(p+q)

これは、覚えておくととても便利な公式です。これを利用すれば、ABを通る直線の傾きはkを用いて簡単に表すことができます。

(2)

△OABの面積をS、とすると、1/2×AB×OH=Sとなります。面積SとABの長さは比較的楽に求められます。

 

また、これも受験の知識ですが、2つの直線が垂直に交わるとき、それらの傾きの積が-1になります。このことから直線OHの式を求め、Hの座標を求めてもよいでしょう。こちらの方が若干計算が多くなりそうです。

(3) 回転してできる立体の形は底面積が等しい2つの円錐を上下くっつけた形になります。円錐の体積を出すには底面積と高さが必要になりますが...?

 

以下、解答

 

 

スポンサーリンク

 

 

 

 

 


解答

(1) k=1/4 y=(1/2)x+6

(2) 12√5/5

(3) 48√5π

 

 


解説

(1)

ヒント、着眼点で紹介した公式より、

k(-4+6)=1/2から、k=1/4

 

するとA(6,9),B(-4,4)となるので、この2点を通り、傾きが1/2の直線は、 y=(1/2)x+6

 

(2)

f:id:hby:20190111232647j:plain

△OABの面積は、6×(4+6)×1/2=30

線分ABの長さは、\sqrt{\{6-(-4)\}^2+(9-4)^2}=5\sqrt{5}

 

よって 5\sqrt{5}\times OH \times \frac{1}{2}=30\\\displaystyle OH=\underline{\frac{12\sqrt{5}}{5}}

 

(3)

f:id:hby:20190111233738j:plain

求める立体は、底面の円の半径がOH、高さの和がABである2つの円錐を上下つなげたものであるから、

\displaystyle(\frac{12\sqrt{5}}{5})^2\pi\times AH\times\frac{1}{3}+(\frac{12\sqrt{5}}{5})^2\pi\times BH\times\frac{1}{3}\\\displaystyle=\frac{144}{5}\pi\times (AH+BH)\times\frac{1}{3}\\\displaystyle=\frac{144}{5}\pi\times AB\times\frac{1}{3}\\\displaystyle=\frac{144}{5}\pi\times 5\sqrt{5}\times\frac{1}{3}\\\displaystyle=\underline{48\sqrt{5}\pi}

 

 

 

このように底面が同じ2つの立体を上下くっつけた形をしているものは、高さの合計さえ分かっていれば体積を求められます。上の問題でいうと、BHとAHを三平方の定理などから求めることはできますが、その和であるABさえ分かればよいのでした。

 

 

 

 ↓ 次回と前回

 

中学生でも解ける外伝 高校入試難問37 法政大学女子高 - 日比谷高校のススメ

 

中学生でも解ける外伝 高校入試難問39 2006年都立日比谷高 - 日比谷高校のススメ

 

 

 

written by k

Copyright © 2017 日比谷高校のススメ All rights reserved.