中学生でも解ける外伝 高校入試難問38★★ 2003年都立西高
↓ここからカテゴリー別に記事を見ることができます。↓
★ ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら完答できるべき。
★★ ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら半分くらい解ければ十分。
★★★...難しすぎる、いわゆる捨て問。
2003年の問題です。途中の小問を1つ除いています。
問題
★★
図の、曲線Cはのグラフである。ただし、である。
直線lは変化の割合が1/2で、曲線Cと2点A, Bで交わっている。点A, Bのx座標はそれぞれ6,-4である。
以下の問いに答えよ。
(1) kの値と直線lの式を求めよ。
(2) 原点Oから直線lにひいた垂線と直線lとの交点をHとするとき、線分OHの長さを求めよ。
(3) △OABを直線lを軸として1回転させてできる立体の体積を求めよ。
ヒント、着眼点
(1) 2次関数に関する受験のテクニックとして、次があります。
について、xがpからqまで増加するときの変化の割合は、a(p+q)
これは、覚えておくととても便利な公式です。これを利用すれば、ABを通る直線の傾きはkを用いて簡単に表すことができます。
(2)
△OABの面積をS、とすると、1/2×AB×OH=Sとなります。面積SとABの長さは比較的楽に求められます。
また、これも受験の知識ですが、2つの直線が垂直に交わるとき、それらの傾きの積が-1になります。このことから直線OHの式を求め、Hの座標を求めてもよいでしょう。こちらの方が若干計算が多くなりそうです。
(3) 回転してできる立体の形は底面積が等しい2つの円錐を上下くっつけた形になります。円錐の体積を出すには底面積と高さが必要になりますが...?
以下、解答
解答
(1) k=1/4 y=(1/2)x+6
(2) 12√5/5
(3) 48√5π
解説
(1)
ヒント、着眼点で紹介した公式より、
k(-4+6)=1/2から、k=1/4
するとA(6,9),B(-4,4)となるので、この2点を通り、傾きが1/2の直線は、 y=(1/2)x+6
(2)
△OABの面積は、6×(4+6)×1/2=30
線分ABの長さは、
よって
(3)
求める立体は、底面の円の半径がOH、高さの和がABである2つの円錐を上下つなげたものであるから、
このように底面が同じ2つの立体を上下くっつけた形をしているものは、高さの合計さえ分かっていれば体積を求められます。上の問題でいうと、BHとAHを三平方の定理などから求めることはできますが、その和であるABさえ分かればよいのでした。
↓ 次回と前回
中学生でも解ける外伝 高校入試難問37 法政大学女子高 - 日比谷高校のススメ
中学生でも解ける外伝 高校入試難問39 2006年都立日比谷高 - 日比谷高校のススメ
written by k