日比谷高校のススメ

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中学生でも解ける外伝 高校入試難問39★★ 2006年都立日比谷高

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★  ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら完答できるべき。

★★ ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら半分くらい解ければ十分。

★★★...難しすぎる、いわゆる捨て問。

 

一度は日比谷の問題をやったほうがよい気がしました。

今回は2006年の空間図形です。

 

 

問題

★★

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図の立体A-BCDEは、BC=12cm, CD=12√3cmの長方形BCDEを底面とする四角すいである。△ABCは正三角形で、∠ABE=∠ACD=90°である。 

点Pは頂点Aを出発し、△ABCの辺上を頂点B,C,A,B,C,A,...の順に通るように毎秒4cmの速さで動き続ける。

点Qは点Pと同時に頂点Aを出発し、△ADEの辺上を頂点D,E,A,D,E,A,...の順に通るように毎秒5cmの速さで動き続ける。

2点P, Qが動き始めてからの時間をx秒とするとき、以下の問いに答えよ。

(1) 2点P, Qが初めて頂点Aで出会う時のxの値を求めよ。

(2) 2点P, Qを結ぶ。3<x<6のとき、BE//PQとなるxの値を求めよ。

(3) x=9のとき、辺ADの中点をL、辺BCの中点をMとする。点Pと点Q, 点Pと点L, 点Pと点M, 点Qと点L, 点Qと点M, 点Lと点Mをそれぞれ結んでできる立体PQLMの体積を求めよ。

 

 

 

 

ヒント、着眼点

まず重要なこととして、ななめ上からみた図にこだわるあまり、立体の形を正しく認識できない場合があります。今回の図はあえて若干正しく見えないような図になっています。(実際の問題に乗っていた図はほぼこの記事の図と同じになっています)

∠ABE=∠ACD=90°

これがあるため、この立体を正面から見ると、こうなります。

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直角の位置からこのような正面図が描けます。よって、この四角すいの体積を求めようとすれば、高さは点Aから辺BCに引いた垂線の長さが使えそうです。

 

 

 

(1) △ACDと△ABEは辺の長さから、1:2:√3の比をもつ30°, 60°をもつ直角三角形になります。AD=24はすぐにわかるでしょう。

(2) 3<x<6と点Pの速さから、点Pは辺BC上にあります。よってPQ//BEとなるには、点Qは辺ED上にあることがわかりります。

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(3) やや難問です。参考に図を載せておきます。立体の形は三角すいです。

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こういう立体の体積を求める方法はいくつかありますが、しばしば有効なのは、

底面積と高さをうまく選んで、それぞれを求める

立体をうまく切って、簡単に体積を出せる立体にわける

高さが同じで底面積が違う立体の体積から、底面積の比を使う

底面積が同じで高さが違う立体の体積から、高さの比を使う

これらでしょう。

 

 

 

以下、解答

 

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解答

(1) x=36

(2) x=16/3

(3) 135 ㎤ 

 

 

 


解説

(1)

△ACDで三平方の定理より、AD=24である。よってAE=AD=24

△ABCは周りの長さ36cm、△ADEは周りの長さ60cmである。

 

 

点Pは毎秒4cmの速さ、点Qは毎秒5cmの速さで動き続けるから、それぞれ△ABC、△ADEを1周するのに9秒、12秒かかる。

9と12の最小公倍数は36なので、x=36のとき、はじめて2点P, Qが同時に頂点Aで出会う。

 

(2)

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3<x<6のとき、点PはBからCにうごく。点Qが点Dをはじめて通るのはx=24/5のときであるから24/5<x<6のときを考えればよい。

BC//PQより、BP=EQになるときを求めればよい。

BP=4x-12である。

EQ=(AD+DQ)-(AD+DQ)=24+12-5x=36-5x

よって4x-12=36-xよりx=48/9=16/3

 

(3)

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ヒント、着眼点で書いた方法の、

高さが同じで底面積が違う立体の体積から、底面積の比を使う

を使ってみます。

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注目する立体の面のなかで最も面積が求めやすそうな面は△PQLになりそうです。また、△PQLと△PDEの面積の比はそこそこ楽に求められます。

よって、画像の通り、M-PQLの体積は、△PQLと△PDEの面積比と、M-PDEの体積から求めます。

 

 

△PQLと△PDEの面積比

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x=9より、点Qは出発してから45cm動いているので、その位置は、辺AE上でAQ=15になる場所である。△PDEの面積をSとする。

LとEを結ぶと、Lは中点なので△PLE=1/2×S

PQ=5/8×PEより、PLQ=5/8×△PLE=5/16×S

よって△PLQ:△PDE=5:16

つまりM-PQLとM-PDEの体積比も5:16 

 

M-PDEの体積

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M-PDEの体積は、底面を△MDE、高さを線分PMとして、(12×12√3×1/2)×6√3×1/3=432㎤

 

 

以上から、求める体積は、

432×5/16=135㎤

 

 

 

 

 

日比谷を志望する受験生であれば、(2)までは比較的すらすら解けて、(3)で部分点がすこし得られればよいでしょう。

 

 

 

 ↓ 次回と前回

 

中学生でも解ける外伝 高校入試難問38 2003年都立西高 - 日比谷高校のススメ

 

中学生でも解ける外伝 高校入試難問40 2006年都立国立高 - 日比谷高校のススメ

 

 

 

 

 

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