中学生でも解ける外伝 高校入試難問34★ 慶應志木高
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★ ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら完答できるべき。
★★ ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら半分くらい解ければ十分。
★★★...難しすぎる、いわゆる捨て問。
問題
★
正五角形の1つの頂点に点Pがある。さいころを1回振って、奇数の目が出たらその数だけ反時計回りに隣りの頂点に移動し、偶数の目が出たらその数だけ時計回りに隣りの頂点に移動する。さいころを3回振ったとき、点Pがもとの頂点に戻る確率を求めよ。
ヒント、着眼点
確率の基本は、「(該当するパターン数)/(全パターン数)」です。
さいころを3回振るので全パターン数は63=216です。うまく3回振ってもとの頂点に戻るパターンを数えましょう。
反時計回りを+、時計回りをーとすれば、さいころの目に応じた移動を表す数は、
+1,-2,+3,-4,+5,-6
と書けます。もとの頂点に戻るということは、これら3つの合計が、負の数も含めて5の倍数になるということです。
たとえば、
+1,+3,-4の合計は0なので、これは該当するパターンの1つです。
+1,-2,-4の合計は-5なので、これも該当するパターンの1つです。
ただ、漠然と合計が5の倍数になるパターンを探すのではうまくいかないでしょう。効率よく、もれなく見つけるためにも、場合分けをしましょう。
以下、解答
解答
49/216
解説
3回の移動を表す数の合計をSとする。奇数の目がでた回数で場合分けをする。
(i) 3回とも奇数の目の時、Sは+3から+15までの値をとり得る。よってS=+5,+15となるパターンを考える。Sは3つの奇数の和であるからS=+10となることはない。
S=+5となるのは、(+1,+1,+3)の組で、これらを並び替えて3通り。
S=+15となるのは、(+5,+5,+5)のみで1通り。
(ii) 奇数が2回のとき、Sは最小で+1+1-6=-4、最大で+5+5-2=8である。Sは(奇数)+(奇数)-(偶数)=(偶数)より、S=5となりえないので、S=0のみを考える。
S=0となるのは、(+1,+1,-2)で3通り、(+1,+3,-4)で6通り、(+1,+5,-6)で6通り、(+3,+3,-6)で3通り。
(iii) 奇数が1回のとき、Sは最小で+1-6-6=-11、最大で+5-2-2=1である。Sは(奇数)-(偶数)-(偶数)=(奇数)なので、S=-5のみを考えればよい。
S=-5となるのは、(+1,-2,-4)で6通り、(+3,-2,-6)で6通り、(+3,-4,-4)で3通り、(+5,-4,-6)で6通り。
(iv) 3回とも偶数のとき、Sは-18から-6をとる。Sは偶数なので、S=-10のみを考えればよい。
S=-10となるのは、(-2,-2,-6)で3通り、(-2,-4,-4)で3通り。
以上より、全てを足すと49通りなので、答えは49/216
このての問題は、いかにはやく全てのパターンを数え上げるかが大切になります。
奇数の回数で場合分けをしたり、Sが偶数になるか奇数になるかを事前に確認するのはとてもよい戦略といえます。
↓ 前回と次回
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written by k