追想の高校受験ー図形問題(解説編)
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前回出した問題の解答と解説です。
問題はこちら
(答え)
(1)BD=√2cm (2)△CDE=√7/4cm^2 (3)EF=2√2cm
(解説)
以下、実際に問題を解くときに意識すべきことを、順を追ってまとめました。
(以下赤字は問題文の情報、青字は分かること、緑字は着想です。単位は省略。)
(1)線分BDの長さを求めよ。
線分の長さに直感的に気づくことができればこの問題は解けるでしょう。
気付かなければ、図に情報を書き込んでいきます。
(普通、図形問題は「愚直に手を動かして解く」のが原則です。うんうん唸るのは時間の無駄になることが多いです。)
また、問題文にある情報は見落とさないよう、最初に読んでおきましょうね。
問題文にある情報から
線分ABは直径→∠ACB=90°
点Oは円の中心、点Mは線分BCの中点→ACとODは平行(∵中線連結定理)
であることが分かります。
すると∠ACB=∠OMB=90°(∵平行線の同位角)ゆえ、さっそくBCとODは直交していることが分かります。
おや...△BMDと△CMDは
BM=CM、MDは共通、∠BMD=∠CMD=90°であることより、二辺夾角相等で合同です!!!
従って、CD=BD=√2となります。
点Oも点Mも中点であることから、線分OMが弦BCの垂直二等分線であると怪しめば、CD=BDだと予想できます。この予想が立たないと辛かったかもしれません。
(別解)
(1)線分DOと円のもう一つの交点をFとすれば、線分DFは円の直径...①
また、点Mは弦BCの中点...②
①、②より、点Bと点Cは直線ODを軸として線対称な関係にある。
線対称性より、CD=BD=√2
(2)△CDEの面積を求めよ。
△CDEについては、CD=√2、CE=1が既に分かっています。となれば、後はDEを求めることができれば、△CDEの面積を求めることができますね。
そこでDE=xと置きます。条件より、DE=OD=x、点Oは円の中心ですから、OD=OB=OA=xです。
まだCE=1の条件を使っていませんが、どう使うでしょうか。
∠ACB=90°から三平方に落とし込む? CEを含む三角形で相似を見つける?
普通の問題なら以上の方針で解けることが多いのですが、今回はうまくいきそうにありません。
そういった場合、適切な補助線を引き、新しい三平方や相似(合同)を見つけましょう!
(1)から弧CDと弧BDが等しいので、線分ADを引くと、ADは∠Aの二等分線です!そして、線分ABは直径ですから、∠ADB=90°。つまり、線分ADは垂線です。
角の二等分線が垂線でもある...そんな図形的特徴は?勿論、見たことがあるはずです。そう、二等辺三角形の中に。
どこに二等辺三角形があるかというと、ACとBDの延長線上の交点をGとすれば、△GABは二等辺三角形となりますね。
つまり、補助線を含めたこの図形は線分ADを軸とする線対称性を持っていることが分かります!
DO=DEより、点Eと点Oは線分ADを軸として線対称な関係にあります。従って、AE=AO=x、EG=OB=x、CG=x-1、また、BD=GD=√2(線対称性)
あとは補助線によって新しく生まれた三角形に着目して
△CDG∽△BAGから(∵内接四角形の外角は等しく、二角相等)
x-1:√2=2√2:2x ∴x=2
これで図形上の全ての辺の長さが求められます。△CDEの面積は、(底辺)×(高さ)÷2で求めましょう。
△CDE=CE×CM×1/2=√7/4
(3)点Fを、線分DFが円Oの直径になるようにとる。線分EFの長さを求めよ。
難しいです。
線分EFの長さはどうやって求めればよいでしょうか。線分EFを含む三角形はありません。従って、「適切な補助線を引く」ことでしか、図形の基本方針「三平方や相似(合同)を見つける」を使えませんね。
補助線をどう引くかですが、円の問題は中心と結ぶというお馴染みの方針に従って点Eと点Fを半径と結びます。あとは△OEFと相似(合同)な図形を探していきます。
どこに着目して探していくか?
(1)で点Oは円の中心、点Mは線分BCの中点→ACとODは平行(∵中線連結定理)
という図形的特徴を発見しました。△OEFは平行線に頂点を持つのでまず平行線上の図形に着目しましょう。OE=DG(∵中点連結定理)、OF=DO(∵半径)、∠EOF=∠GDO(∵OE//DGの同位角)より、△EOF≡△GDOだと分かります。
従って、EF=GOより線分OGの長さを求めればよく、点GからABに垂線GHをおろすと、BH=OH=1です。従って、△GOHに三平方の定理より、EF=GO=2√2
(GHの長さを求めるときは(2)の対称性を使えばGH=BC=√7とでます。△ABGの面積を二通りに表して垂線GHの長さを求めても同じです。)
以上で問題がすべて解けました。どうでしたか?国立大学附属校は(2)まで解ければ合格ラインでしょう。
図形問題は情報を書き込んでいく中で、図形の特徴(平行、直角、対称等)を掴み、それを利用して相似(合同)、三平方の定理、角の二等分の定理等を適用していきます。
図形問題を解くときは、問題文にある情報と、そこから更に分かることを図に書き込み(赤字と青字)図形の特徴を掴んでいきます。行き詰ったら基本に立ち返り、緑字のように素朴に発想したり、図形の特徴に着目して行けばよいでしょう。
良いお年を。
実はこの問題、筆者が高校受験の時に作問したものの改題でした。
written by H