日比谷高校のススメ

日比谷高校出身者たちが日比谷高校の紹介や、勉強に関する様々なことを語ります。

日比谷高校漢字講座 Part8

第一問  次の漢字の読みを答えよ。

 

1. 人情味あふれる性格

2. 船の甲板に出る。

3. 月極駐車場

4. 兵法を学ぶ。

5. 一日千秋の思いを馳せる。

 

 

第二問  次のひらがなを漢字に直せ。

 

1. へんきょうの地

2. とろうに終わる。

3. べんぎを図る。

4. さんじゅうろっけい逃げるに如かず

5. しんらばんしょう

 

 

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以下、答えになります。

 

第一問

1. にんじょうみ

2. かんぱん

3. つきぎめ(× アルティメットムーン)

4. へいほう

5. いちじつせんしゅう

 

第二問

1. 辺境

2. 徒労

3. 便宜

4. 三十六計

5. 森羅万象

 

 

【正答率目安】

8問〜: 合格者平均は堅い。

6-7問: 受験者平均並み。さらなる高みを目指しましょう。

〜5問: 要対策。危機感を持って。

 

では、また次回。

 

 

前回

日比谷高校漢字講座 Part7

次回

日比谷高校漢字講座 Part 9

 

 

 

written by Akky

【数学小話】中学校では教えてくれない数の性質⑤ あまりと周期

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互いに素とあまりの周期の関係

p,qは互いに素な自然数とする。pの倍数をqで割った余りは、q個ごとに同じ数が繰り返される。

 

 

例として、p=4, q=7でやってみます。

f:id:hby:20190601162034j:plain

 4の倍数を7で割った余りを表にしました。これを見ると、7で割った余りが「4,1,5,2,6,3,0」の7つがループになっていることが分かります。これを周期7のループと呼ぶことにしましょう。
ちなみに、p,qの役割を入れ替えて、7の倍数を4で割った余りを見ると、今度は周期4のループになっています。

では互いに素でない数ならどうなるかを見てみます。p=6, q=8で見てみましょう。

f:id:hby:20190601163102j:plain

6の倍数を8で割った余りは「6,4,2,0」の周期4のループに、
8の倍数を6で割った余りは「2,4,0」の周期3のループになっています。 

 

なぜ上は周期4で下は周期3になるのか。それは、6と8の最大公約数が2であり、
8÷2=4
6÷2=3
つまり、最大公約数で割った値が周期になっているのです。

 

 ここまでをまとめると、このようになります。

pの倍数をqで割った余りは、周期が、

   q÷(pとqの最大公約数)

のループになる。

pとqが互いに素なら、最大公約数が1なので、qで割った余りは周期qのループになることもうまくつながっています。

 

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では例題を見てみましょう。

 

例題

5で割って1あまり、6で割り切れる自然数を、小さい方から3つ答えよ。

解答

5で割って1あまる自然数を並べて、それらを6で割った余りを見る。

f:id:hby:20190601165502j:plain

5と6は互いに素なので、やはり6で割った余りは周期6のループになっている。
条件を満たす最初の数は6で、次は36、その次は66
よって答えは6,36,66

 

あまりが周期6のループになっていることが分かれば、問題文の条件を満たす最初の数を見つけさえすれば、その次に条件を満たす数は+30すれば求められます。この30というのは、5と6の最小公倍数ですね。

 

この問題のように、「aで割って〇〇、bで割って〇〇」という条件を満たす整数は、aとbの最小公倍数ごとに現れることがほとんどで、それはあまりの周期性によって導かれるのです。

 

 

高校でやる問題を一つ見てみます。

例題

8x+5y=1...① を満たす整数(x,y) を求めよ。

解答

高校で習う解法

(x,y)=(2,-3) は解の一つである。(自力で見つける)
この解を代入した式、
8\times2+5\times(-3)=1...②
ここで①-②を計算すると、このような式が得られる。

f:id:hby:20190604202112j:plain

8(x-2)+5(y+3)=0\\8(x-2)=-5(y+3)
ここで、8と5は互いに素なので、kを整数としてx-2=-5k,\ y+3=8kと書ける。よって、
\begin{cases}x=-5k+2\\y=8k-3\ \ (kは整数)\end{cases}

 

中学生以下はこの解答を完全に理解しなくてもよいです。答えだけ見ればよいです。ここでなにを見てみるかというと、
解の一つに(x,y)=(2,-3) がありました。これは、答えの
\begin{cases}x=-5k+2\\y=8k-3\end{cases}
にk=0を代入したものです。次にk=1を代入すると(x,y)=(-3,5) という解が得られます。先ほどの解と比べると、xは5減って、yは8増えています。これはつまり、方程式における8xの値が40減って、5yの値が40増えていて、和は1で変わらない、ということを意味します。ここでの40というのは、やはり5と8の最小公倍数です。

 

このように、最小公倍数が周期となる場面は多く表れます。整数の倍数の問題では、最小公倍数を意識しながら考えるとよいかもしれませんね。

 

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 written by k

中学生でも解ける大学入試数学52★★ 2019年千葉大

 

問題
★★

 

正の約数の個数がちょうどm個であるような、1900以上の自然数のうち最小のものをd_mとする。

(1) d_5

(2) d_{15}

 

 

ヒント、着眼点

 

難関高校受験でも習う約数の個数の求め方を知っていれば方針が決まりやすいのではないでしょうか。

一応公式を書いておきます。

 

自然数nが以下のように素因数分解されたとする。

n=p^a\times q^b\times r^c\times\dots

この時、nの約数の個数は\underline{\textbf{(a+1)(b+1)(c+1) }\dots }

 

(ここで、p,q,r,\dots素数a,b,c,\dotsは指数)

 つまり、素因数分解したときの指数をそれぞれ1足してかければ求められます。例を見てみます。

例①

36=2^2\times3^2\\(2+1)(2+1)=9

36の(正の)約数は9個

 

例②

12=2^2\times3\\(2+1)(1+1)=6

12の(正の)約数は6個

※今回の例のように、指数が書かれていないときは1乗と見ます。

 

例③

16=2^4\\(4+1)=5

16の(正の)約数は5個

※素因数が1種類でも構いません。

 

このようにして正の約数の個数が求められます。

では、d_5d_{15}を考えてみましょう。

 

 

 

 

以下、解答

 

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解答

(1) 2401

(2) 1936

 


解説

(1) 約数の個数を求める方法より、約数が5個になる自然数は、ある素数pによってp^4と表されるもののみである。p=2,3,5,7,...と代入していくと、1900以上になる最小のpは7で、このとき7^4=2401

 

参考

2^4=16\\3^4=81\\5^4=625\\7^4=2401\\11^4=14641

 

(2)

約数が15個になるのは、次の2通りが考えられる。

(i) p^14

(ii) p^2\times q^4

ただし、p,q は異なる素数

 

(i)

一番小さいものは2^14=16384

(ii)

 

q^4の方から絞っていく。

q=2のとき

p^2\times2^4=16p^2である。ここで、不等式

16p^2\geqq1900

p^2\geqq118.75

となる。この不等式を満たす最小の素数pは11で、

11^2\times2^4=1936

 

q=3のとき

p^2\times3^4=81p^2である。ここで、不等式

81p^2\geqq1900

p^2\geqq23.46\dots

となる。この不等式を満たす最小の素数pは5で、

5^2\times3^4=2025

 

q=5のとき

p^2\times5^4=625p^2である。ここで、不等式

625p^2\geqq1900

p^2\geqq3.04\dots

となる。この不等式を満たす最小の素数pは2で、

2^2\times5^4=2500

 

q=7のとき

p^2\times7^4=2401p^2より、pがどんな素数でも1900より大きくなる。

 

qが7以上の素数のときは、q^4が1900より大きくなるので、調べなくてよい。

 

以上から、1936

 

 

 

 

 

補足

(1)で、なぜp^4と表されるもののみと言い切れるのでしょうか。それは、5が素数であることと、約数の個数を求める公式の形からわかります。

自然数nが以下のように素因数分解されたとする。

n=p^a\times q^b\times r^c\times\dots

この時、nの約数の個数は\underline{\textbf{(a+1)(b+1)(c+1)}\dots}

 

(ここで、p,q,r,\dots素数a,b,c,\dotsは指数)

正の約数が5個である整数を因数分解したとき、2つの素数が登場するとしたら、約数の個数は\textbf{(a+1)(b+1)} となりますが、a,b がともに1以上であり、(a+1),\ (b+1)はともに2以上であるので、この値は決して5にはなりません。(a+1)(b+1)(c+1)という形で5を作るには、そもそもカッコが1つで、a=4の時しかありえないのです。

 

なぜ「正の約数」と書くのでしょうか。それは、負の約数があるからです。ただ単に「約数」とだけ言われた時は負の数も考えます。割り切れる整数というのが約数で、例えば12=(-2)×(-6)より-2と-6は12の(負の)約数なのです。

6の約数は1,2,3,6,-1,-2,-3,-6の8つ

などと言った文章は正しい文章です。

(±1,±2,±3,±6の8つ、と書くこともあります)

 

※ただし、中学校までは単に「約数」という場合も正しか考えません。

※高校以上では、大体の問題にはしっかりと「正の約数」と書いてあります。数の性質に関する証明問題では単に「約数」としか言わないこともあり得ますが、正のみだと頭の中で思いながら解いてもほとんど問題ありません。

 

 

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