中学生でも解ける大学入試数学51★★ 2019年中央大
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問題
★★
ある規則に従って、次のように分数を並べる。
(1) 最初から20番目、50番目、200番目の分数は何か。(約分しなくてよい)
(2) 最初から200番目までの間に、1と等しい分数はいくつあるか。
ヒント、着眼点
まずは分数の並びの規則を見ぬいてください。分母だけを見ると、分母1が1つ、分母2が2つ、分母3が3つ、というようになっています。そこで、最初の1つを第1グループ、次の2つを第2グループ、次の3つを第3グループ、...とします。
第nグループの分数の分子は、12からn2までが並んでいることが分かります。
ここで、このようにグループ分けをする利点は、第nグループの最後の分数が最初から何番目かすぐわかることです。
例えば、第2グループの最後の分数は1+2=3番目、第4グループの最後の分数は1+2+3+4=10番目となっていて、これを一般化すると、
第nグループの最後の分数は番目
となります。
(1からnまでの和がこのように表されることは既知とします。)
これをもとに、20番目、50番目、200番目に迫っていきましょう。
(2)は、闇雲に探すのではなく、分数が1と等しくなるとき、分母と分子との間にどのような関係があるのかをしっかり考えてみましょう。(1)で200番目の分数を求めたので、これをうまく活用できればすぐ解けます。
以下、解答
解答
(1)
(2) 4つ
解説
(1) 第1グループから第nグループまでにある分数の個数を具体的に計算して求めて見当をつけます。
1+2+3+4+5+6=21より、第6グループの最後の分数は最初から21番目になり、その分数は36/6である。20番目の分数はその一つ前の分数だから、25/6
1+2+...+9=45, 1+2+...+10=55より、50番目の分数は、第10グループ内の5番目の分数だから、25/10
1+2+...+19=190より、200番目の分数は、第20グループの10番目の分数だから、100/20
(2)
分子は常に平方数であるから、分数が1と等しいとき、分母も平方数でなければならない。(1)より、200番目の分数が100/20であるから、200番目までの分数で、分母が平方数となるのは、分母が1,4,9,16のときである。
第1グループの1番目の分数は1/1
第4グループの2番目の分数は4/4
第9グループの3番目の分数は9/9
第16グループの4番目の分数は16/16
よって、この4つである。
補足
(1)は、要するに、1からいくつまでを足したら50や200に近くなるかを求めるのがメインでした。それが見つかれば、あとは1つずつ分数を書くなりなんなりで求められるので、後半は消化試合です。
ヒント、着眼点で述べたように、1からnまでの和は と表されます。これに(=200)などとくっつけて2次方程式を解くのはあまりお勧めしません。
はだいたい だと思って、
とすれば、nのだいたいの値はすぐにわかります。
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written by k