中学生でも解ける大学入試数学54★★ 1999年大阪大
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問題
★★
自然数の組(a, b)で、aからbまでの自然数全ての和が500となるようなa, bの組を全て求めよ。ただしa<bとする。
ヒント、着眼点
aからbまでの自然数全ての和は、aとbを用いてどのように表されるのかが重要になりそうです。
さて、このような公式をご存知でしょうか。
1からnまでの自然数全ての和は、
と表される。
この公式の証明のアイデアが、aからbまでの和を求めるのに役立ちそうです。
証明
1からnまでを横にならべ、その下にnから1までを並べる。縦に並んだ2つの数を見ると、どれも和がn+1になっている。この和がである2つの数字の組が組あり、それらの和はとなる。これは(1からn) 2セット分に相当するから、1からnまでの和はとなる。下図参照。
以下、解答
解答
解説
aからbまでの和は、(1からbまでの和)-(1からa-1までの和)と表される。よって、
と表される。これが500と等しいから、
ここで、左辺を因数分解すると、
となる。また、であるから、
となる。 の値としてとり得るものを考える。
まず、は自然数だから である。よって、積が1000ということから、 でなければならない。また、明らかに である。
の偶奇によらず、の偶奇は一致するから、の偶奇は一致しない...④ つまり、片方が偶数ならば、もう片方は必ず奇数である。
①,②,③,④を考慮すると、考えられる値の組は、
これらで全てである。
これを解くととなって、に反する。
これを解くととなる。
これを解くととなる。
これを解くととなる。
以上より、
補足
1からnまでの自然数全ての和は、
と表される。
これを使えば、1からa-1までの和は、nにa-1を代入すれば、
となります。
これらの組をもれなく全て見つけるには、1000の素因数分解の結果を利用します。なので、 どちらかにが入ります。偶奇が異なる、ということから、片方に、もう片方にという様な振り分けはできません。(どちらも偶数になってしまうため)
の因数分解は、受験生であればスラスラとできて欲しいところ。
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written by k