中学生でも解ける外伝 高校入試難問40★ 2006年都立国立高
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★ ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら完答できるべき。
★★ ...出題校ぐらいのレベルの高校志望なら半分くらい解ければ十分。
★★★...難しすぎる、いわゆる捨て問。
今回は2006年の空間図形です。
問題
★
図1で、曲線lは関数のグラフ、直線mは関数のグラフを表している。ただしa,bは正の数である。
曲線lと直線mの2つの交点のうち、x座標が負である点をA、正である点をBとするとき、以下の問いに答えよ。
(1) b=10/3、点Aのx座標が-2のとき、aの値を求めよ。
(2) 図2は、図1において、点Aの座標が(-2,1)、点Bの座標が(6,9)であるときを表している。
線分AB上に点Cをとり、点Cからx軸にひいた垂線と曲線lの交点をDとする。
△ABDの面積が16のとき、点Cの座標を求めよ。
(3) 図3は、図1において、点Aのx座標が-2、点Bのx座標が4のときを表している。
1辺の長さが1の正方形PQRSを、頂点Pが直線l上に、頂点Rが曲線上にあるように作る。
ただし、点Rのx座標は点Pのx座標より大きく、点Rのy座標は点Pのy座標より小さく、点Pと点Sのy座標は等しいものとする。
このとき、点Pのx座標を求めよ。
ヒント、着眼点
(2) AとBの座標からa,bの値が分かります。Cのx座標を求める問題なので、これをtとおき、Dの座標や△ABDの面積をtで表します。
(3) たまに勘違いをする人がいますが、(3)のa,bの値と(2)で求めたa,bの値は必ずしも一致しません。(3)の冒頭で「図3は、図1において、」とあるところから、a,bの値はリセットされていることを読み取りましょう。ですから、まずはaとbの値を求めるところからやりましょう。
また、点Pのx座標を求めよとあるので、やはりこれをtとおいて、Q, R, Sの座標をtで表したりしてみましょう。
以下、解答
解答
(1) a=1/3
(2) 2
(3) √5
解説
(1) b=10/3より直線mの式はy=x+10/3なので点Aの座標は(2,4/3)
これをに代入して、a=1/3
(2) A, Bいずれかの座標をに代入して、a=1/4、に代入してb=3
Cのx座標をtとすると、C, Dの座標はそれぞれ(t,t+3), (t,t2/4)
よって、CD=(t+3)-t2/4=-t2/4+t+3なので、
△ABD=(-t2/4+t+3)×{6-(-2)}×1/2=-t2/+4t+12
これが16となるから、
-t2/+4t+12=16
これを解いて、t=2
(3)
Aのx座標が-2だから、これをとにそれぞれ代入すると、
y=4a, y=b-2より4a=b-2...①
Bのx座標が4だから、これをとにそれぞれ代入すると、
y=16a, y=b+4より16a=b+4...②
①と②を連立して、a=1/2, b=4
点Pのx座標をtとすると、P(t,t+4)
PQRSが1辺1の正方形なので、Rの座標は(t+1,t+3)
また、Rは曲線l上にあるから、にx=t+1, y=t+3を代入して、
これを解くと
点Pは線分AB上の点だから、-2≦t≦4なのでt=√5
この問題のように、ある点のx座標をtとおいて方程式をつくるタイプは、x座標をtとおいた点とは別の点の座標を2通りで表す、ということで解けることが多いです。別の点が上にあるから、ある点とx座標が1ずれているから、などといった観点から式を作るのです。
↓ 次回と前回
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written by k