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中学生でも解ける大学入試数学12★ 2018年北大文系

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国立文系としてはちょうどよい難易度だと思います。理系ならばたやすく解けるべきでしょう。

北大後期日程の問題です。

 

問題

正の整数の組(a,b,c)が次の式を満たすとする。

a2+b2=c2

(1) a,b,cのうち少なくとも1つは偶数であることを示せ。

(2) a,b,cのうち素数ではないものがあることを示せ。

 

 

ヒント、着眼点

 a2+b2=c2

この式は中学3年で習います。直角三角形の3辺の長さが満たす関係です。

この関係を満たす自然数の組をピタゴラスといいます。 

(1) 少なくとも1つは偶数であることを示すには、その余事象を考え、「全て奇数であることがありえない」といえばよいのです。

(2) (1)と同様に、「全て素数であることがありえない」といえばよいでしょう。

 

以下、解答 

 

 

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解答

a2+b2=c2

(1) 全て奇数であることを仮定します。a,bが奇数の時、左辺は奇数+奇数なので右辺は偶数でなければならないが、cが奇数なのでc2も奇数なので矛盾。

よって少なくとも1つは偶数。

 

(2) 全てが素数であると仮定します。(1)より少なくとも1つが偶数であるが、偶数の素数は2しかないため、abcのうち1つは2、残り2つは奇素数であるしかない。また、2が一番小さい素数なので、c=2はありえないのでa=2としてよい。

4+b2=c2

4=c2-b2=(c+b)(c-b)

bとcが同じ素数ではなく、b<cでc+b>c-b>0であり、積が4であるから

c+b=4

c-b=1

これを解くとb=1.5,c=2.5

これはb,cが奇素数であることと矛盾。よって全て素数であることはないので、素数でないものがある。

 

解説

背理法は中学校では、数学の教科書に一応載っています。√2が無理数であることの証明として背理法が使われています。証明したい事柄を否定していくと矛盾が生じる。よって証明したい事柄は正しい。という論法です。

他にも、素数が無限に存在することの証明など、数学の本質に迫った命題の証明として使われます。背理法は「証明したいことが正しくなかったら」という仮定から始まる特殊な論法なので、一般の証明問題には使わない方が良いと言われています。 

 

 

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