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【数学小話】数の歴史② 古代ギリシアでの数学

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第二回は、古代ギリシアにおける数学から、有理数無理数についてお話します。

 

ピタゴラス

ピタゴラス(BC500ごろ)は、古代ギリシアの哲学者です。

当時の哲学は、今の哲学とは少し管轄範囲が違い、数学も哲学の1つとして学問の対象とされました。ピタゴラスは、すべてのことは数学で証明できると信じていて、「万物は数なり」という言葉を残したとされています。

ピタゴラスの定理というのは、三平方の定理とも呼ばれ、中3の教科書に必ず載っています。

 

古代ギリシアの数学はかなり進んでいて、例えば「3辺の比が3:4:5である三角形は直角三角形になる」ということを知っていました。

ピタゴラスは数学を研究する教団を立ち上げ、そこで盛んに弟子達と数学を研究していました。

 

 

ユークリッド

ユークリッド(BC400ごろ)もギリシアの数学者です。彼の功績はなんといっても時代を超えて広く、長く使われた教科書『原論』を書いたことです。これには、幾何における定義や公理、基本的な定理とのそ証明や、今でいう方べきの定理を使った2次方程式の作図による解き方などが載っています。他にも、今では当たり前のように使う「a=b,a=cならb=c」などの論法もこの原論にまとめられています。

他にも、ユークリッド素数が無限にあること、2の平方根有理数でないことなども証明しています。

 

有理数無理数

ピタゴラスの頃は、有理数までしか知られていませんでした。

自然数のみが登場する世界では、足し算と掛け算は無制限に使えますが、引き算と割り算はそうではありません。

(自然数)+(自然数)と(自然数)×(自然数)は常に自然数ですが、(自然数)-(自然数)と(自然数)÷(自然数)の結果は常に自然数とは限らないのです。

ここで、負の数を追加し、整数全体が登場する世界になれば、引き算の結果は無制限に使えるようになります。

そして、さらに有理数も追加した世界になると、(有理数)÷(有理数)は常に有理数となり、四則演算がすべて自由自在に扱えるようになりました。

 

係数が整数であるような1次方程式の解は有理数になります。

つまり、ax=bという方程式の解はx=b/aで、これは有理数です。

 

このように、ピタゴラスの頃の数学者たちは、有理数があれば世の中のあらゆるものを表すことができると信じていました。

しかしあるとき、ピタゴラスの教団にいた弟子のひとりが、「1辺が1の正方形の対角線の長さが有理数で表すことができない」ということに気づいてしまいます。

これを知った教団は、これを隠そうとし、その弟子を殺害しました。

これがのちの無理数の誕生につながります。

当時の数学者は、x2=aという方程式を解くとき、aが1,4,9,16などでない時、どうしても解が有理数で表すことができないという事実に気づきました。しうして次第に、「自然数、整数、有理数がこの世界の全てではなかった。まだ我々の知らない数があるのではないか」と考えるようになります。

 

そうしてユークリッドが活躍するころには無理数という概念はある程度受け入れられていたようです。

 

 

この、「この世界にあるものを表すのに有理数だけでは足りない、だから無理数なるものを考えることにする」という考え方は重要です。

 

 今回は以上です。

 

 

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