中学生でも解ける大学入試数学25★ 2017年明治大(商)
↓ここからカテゴリー別に記事を見ることができます。↓
中学生向けに方針が見えやすくするために、一部問題を削除、または追加しています。
問題
★
(1) 50以下の自然数で、2の倍数か5の倍数であるものの個数を求めよ。
(2) 50以下の自然数で、2の倍数か5の倍数であるものの総和を求めよ。
(3) からまでの50個の分数のうち、既約分数の総和を求めよ。
※既約分数とは、これ以上約分できない分数のこと。
ヒント、着眼点
(2)までは地道な方法でも解けるでしょう。
(3)は(1)と(2)の答えをどう有効活用できるか考えましょう。
以下、解答
解答
(1) 30個
(2) 775
(3) 10
解説
(1)
1から50のうち2の倍数の個数は、50÷2=25より25個です。
1から50のうち5の倍数の個数は、50÷5=10より10個です。
ここで、答えは35とはならないことに注意しましょう。
上でカウントした35個の数の中には、2の倍数と5の倍数とで2回重複してカウントされたものが混ざっています。
2の倍数と5の倍数で両方登場する数は最小公倍数の10の倍数の数なので、50÷10=5個あります。よって35-5=30個
(2)
を利用してみましょう。
2の倍数の総和は、
2+4+6+...+48+50=2(1+2+3+...+24+25)=2×(25×26)/2=650
5の倍数の総和は、
5+10+15+...+45+50=5(1+2+3+...+10)=5×(10×11)/2=275
この2つを足すのみだと、先ほどと同様、10の倍数が2回足されてしまうので、
10の倍数の総和は、
10+20+30+40+50=150
よって650+275-150=775
(3)
既約分数と約分できる分数にどんな違いがあるかを考えます。
約分できる分数は、分母が50=2×5×5であることから、分子が2か5で割り切れる、つまり分子が2の倍数か5の倍数であることが分かります。逆に、既約分数は分子が2でも5でも割り切れないもの、と言えます。そこで、
(1/50から50/50全ての総和)-(約分できる分数の総和)=(既約分数の総和)
で求めます。1/50から50/50全ての総和は、
約分できる分数の総和は、分子の合計は(2)がそのまま使えるので、
よって、答えは
補足
「1からnのうちaかbで割り切れる数の個数」と言われたら、
(aで割れる個数)+(bで割れる個数)-(abの最小公倍数で割れる個数)
で求めるのが普通です。ぜひ覚えましょう。
例 1から100までの中で12でも18でも割り切れない数の個数を求めよ。
12か18で割り切れる個数を求めて、それを100から引いて求めます。
12で割り切れる個数は、100÷12=8...4より8個
18で割り切れる個数は、100÷18=5...10より5個
余分に数えている分は、12と18の最小公倍数の36の倍数だから、
100÷36=2...28より 2個
以上から、12か18で割り切れる個数は8+5-2=11個
よって答えは100-11=89個
前回
中学生でも解ける大学入試数学24 2016年上智大 - 日比谷高校のススメ
次回
中学生でも解ける大学入試数学26 1963年名古屋大 - 日比谷高校のススメ
written by k