【高校受験】数学テーマ別攻略③ 二次関数と直線
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数学テーマ別攻略最終回は「二次関数と直線」です。この単元は自校作成の大問2で出題されます。
この単元では、座標の知りたい点のx座標をtとおいて式を立てることが多いです。
ここで注意すべきこととして、「条件をなるべく簡単に言い換える」ようにしましょう。何も考えずに式を立てると3次以上の方程式ができてしまうことがあります。
以下、日比谷高校(平成29年)の問題です。
ここでは問2について触れます。
「△ABCが∠ABC=90°の直角二等辺三角形」という条件から成り立つこととして、次のようなものがあります。
- AB=CB
- AC=√2AB=√2CB
では式を作りましょう。
AB2={2t-(-t)}2+(4at2-at2)2
AC=4at2-(-t2)
ABをtで表すと、t4が登場するのであまりよいやり方とは言えません。
このように次数の高すぎる式を作ってしまうのはよくありません。このような事態に陥らないコツは、
- x軸かy軸に平行な直線を引いて、その線について考える
- その条件だからこそ成り立つ特別なかたちを見逃さない
- まずは長さの比や角度を考えて平面図形っぽく解く
今回、直角二等辺三角形があるので、コツ1に則り、このような直線を引いて考えてみましょう。
Bを通りx軸に平行な直線を引いてACとの交点をHとします。
すると、△ABCが直角二等辺三角形なので、AH=BH=CHが成り立ちます。
AH=CHを使います。Hのy座標は2通りの表し方ができます。Bのy座標をそのまま使う方法と、AとCのy座標を足して2で割る方法です。これでy座標を使って式が作れました。
{4at2+(-t2)}/2=at2...①
次にAH=BH=CHからAC=2BHを使います。BHを使うことでx座標も使って式が作れるわけです。
{4at2-(-t2)}=2{2t-(-t)}...②
これで文字が2つ、式が2つあるので解くことができます。
斜めの直線について考えずに、x軸かy軸に平行な線で考える。そうすれば片方の座標のみで式を作れるので、次数の高い式ができにくいのです。
ちなみに、この問題では、ACがすでにy軸と並行なので、AB,BCの傾きがそれぞれ1,-1であるということで式を2つ作ることもできます。
もういちどコツを述べると、
- x軸かy軸に平行な直線を引いて、その線について考える
- その条件だからこそ成り立つ特別なかたちを見逃さない
- 座標だろうが、長さの比や角度を考えて平面図形っぽく解く
この3つです。これを頭に入れて、ひたすら問題を解いて練習してみてください。
これで全三回の数学テーマ別攻略を終わります。
最後に、数学全般を通して自校作成を解くコツがあります。
それは、解けなかった問題の解説を見たときに思っていたより簡単な解き方をしていた時に気を落とさないことです。日比谷高校に合格するような人間の大多数ですら自校作成の数学は3割4割、時によっては5割6割解けません。10年近く前であれば平均点が30点台であることすらありました。ひたすら数学の難問を解き続けて日比谷高校に挑む人間ですら解ける人がいない問題などたくさんあるわけです。気にせず前向きに頑張りましょう。
幸運を。
第一回 空間図形
第二回 平面図形
written by k