【高校受験】数学テーマ別攻略② 平面図形(と立体図形の続き)
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数学テーマ別攻略第2回は平面図形です。
なぜ平面図形より空間図形を先にしたかというと、空間図形の簡単なコツは第1回で話し、難しい所はここで話すことを想定しているからです。
「空間図形の難しい問題をなぜ平面図形のページで解説するのか?」と思うかも知れませんが、空間図形の難しい問題は平面図形の問題の複合に、少しだけ空間の要素を付け足しただけで作られているからです。つまり、平面図形がしっかりできればある程度空間図形は解けるはずなのです。私は現在塾講師をしていますが、受験生の模試や過去問の結果をみるに軒並み空間図形が出来ない人が多いですが、それは、平面図形を空間図形に持ち込むコツが分かっていないのです。
今回はこの2つをメインにみていきましょう。
1. 空間図形で平面図形を持ち込む問題の解き方
2. 難関自校作成の平面図形の解き方
1. 空間図形で平面図形を持ち込む問題の解き方
ここでどのような問題を扱うかというと、例えばこのような問題です。これは日比谷高校(平成29年)の大問4空間図形の最後の問題です。
今回はこのような、立体を平面で切り、そこで平面図形の相似を用いる問題のコツを紹介します。
この問題で求める立体の形を正しくとらえます。そして体積を求めるために、まず求めておくべき底面積と高さを考えましょう。
求める立体を紫、底面と高さをそれぞれ水色と黄緑色にしました。
さて、ここで黄緑の高さをどのように求めるか、そのコツをお教えしましょう。
- 求めたい線分を含む平面で切る
- 長さの分かる辺や線分も含む平面で切る
さて、Rから底面(水色の三角形)に下ろした垂線の足をHとして、線分RHを含む面できることを考えます。さらに、線分ADかBEかCFも含むような平面を考えます。ポイントは、その平面で切った後のさまざまな部分の長さが求められそうかどうかを考えることです。
今回は、4点A,D,R,Hを含む平面で切ってみましょう。下左図の赤い長方形の切り口ができます。この切り口と辺BCの交点をNとします。
ここで、線分DRは、この赤い長方形上にあり、同時に平面CDP上にあります。これが何を意味するかというと、線分DRをRの方へ伸ばすと線分CPと交わるということです。その点をSとします。
なぜかというと、赤い長方形の面と面CDPが交わる直線こそが直線DRだからです。(右図)
ここを理解するのが一番空間図形の難しいところでしょう。
では、長方形ADMNを眺めて、RHの長さを求めます。△ADR∽△SERが使えそうなので、ESの長さを先に求めます。△CBP∽△CSNよりNS=1/2BP=2よってSE=4なのでDR:SR=6:4=3:2です。
次に△DSE∽△DRHよりRH:SE=3:5なのでRH=12/5
(画像右図の赤い長方形の右下の頂点がEとなっていますが、正しくはMです。画像作成ミスです。申し訳ありません。)
底面積は簡単に求められるので、底面積と答えの体積の説明は省略します。
このように、立体を適切な平面で切って相似を用いて求める長さを出す方法をぜひマスターしましょう。
2. 難関自校作成の平面図形の解き方
以下、戸山高校の問題(平成22年、一部)です。
問2に「△ADC∽△BCP」を証明する問題がありました。平面図形の問題はこのように、あらかじめ証明させた相似を用いることで解く問題がしばしば用意されます。
AC=6よりBC=6ですので、△ADC∽△BCPからBP=14とわかります。
ここまではたどり着ける人がいるでしょう。この後どうするか。
- 問題文にある条件は全て使えるかどうか一度は検討する
- 平面図形の最後の問題は、証明させられた相だけでなくさらにほかの相似も見つけてみる
このコツを意識しましょう。
Cが円の接点なので、OC⊥lです。そうすると、△OCD∽△PBAというもう一つの相似が作れました。
円の半径をrとすれば、OD:OC=PA:PBより
r+18/7:r=2r:14
これで半径が求められます。
3. まとめ
立体図形の求めづらい線分の長さは
- 求めたい線分を含む平面で切る
- 長さの分かる辺や線分も含む平面で切る
平面図形の最後の問題を解くときは
- 問題文にある条件は全て使えるかどうか一度は検討する
- 平面図形の最後の問題は、証明させられた相似だけでなくさらにほかの相似も見つけてみる
これを心がけてみてください。
第一回 立体図形
第三回 二次関数と直線
written by k