日比谷生からの挑戦③ 解答その②
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解答の後半になります。前半はこちら
4 数II
201931の下3桁を求めよ。
解答4
二項定理より、
ここで、からまでの項は明らかに1000で割り切れる。また、
より、の項も1000で割り切れる。
最後の2項は、
よって、Nを整数として、
となるから、答えは619
解説4
問題1と同じ方針になりました。高校の数IIで習う二項定理を使います。
二項定理
ただし
二項定理はさまざまな使われ方をします。
例① y=1を代入して、
さらにx=1を代入すれば、
x=1,y=-1を代入すれば、
例② pを素数とする。(p+1)n-1がpで割り切れることを証明せよ。
証明 二項定理より、
よってpの倍数。
また、は二項係数と言われます。高校受験などではn個の物からr個を選ぶのが通りだと習いますね。
5 数III(発展)
は複素数で、とする。
(1) を求めよ。
(2) を求めよ。
(3) を求めよ。
かなり難問です。(1)は典型問題です。(2)以降はかなりトリッキーな解法ですが美しいです。
解答5
(1)
ドモアブルの定理より、
より両辺をで割って、
(2)
とする。
より、の解は、
である。
とする。の解は、
である。
①の両辺にをかけて、
②-①を計算すると、
ここで、二項定理より、
よって、
解と係数の関係から、
(2) 別解
g(x)の定数項は、g(0)に等しい。
解と係数の関係から、
(3)
つまり、
の両辺をで割って、
とすると
降べきの順に並び替えて、
この式の左辺をとする。
の解は、
であるから、の解は、
である。解と係数の関係から、
解説5
(3)でやったことを一般化しておきます。
解の逆数を解に持つ方程式
n次方程式
の解がであるとする。
を解にもつn次方程式は、
で表される。
つまり、解の逆数を解にもつ方程式の係数は元の方程式の係数の逆順ということです。
例
の解は
の解は
以上で解答を終わります。
感想
2019という数字自体に特別な性質はあまりなかったのが残念です。来年の2020に期待です。
問題5(2)(3)はかなりエレガントで好きです。
written by k