日比谷高校のススメ

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日比谷生からの挑戦③ 解答その①

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解答がそこそこ長くなりそうなので、1,2,3と4,5の解答で2つの記事にわけます。

後半はこちら  

 

1 中学数学

(1) (a-1)5を展開せよ。

(2) 20195の下3桁を答えよ。 

解答1

(1) まじめに計算すればよいでしょう。

\displaystyle (a-1)^5=a^5-5a^4+10a^3-10a^2+5a-1

(2) (1)の答えの式にa=2020を代入すると、

\displaystyle (2020-1)^5=2020^5-5\times2020^4+10\times2020^3-10\times2020^2+5\times2020-1

つまり、

\displaystyle (2019)^5=2020^5-5\times2020^4+10\times2020^3-10\times2020^2+5\times2020-1

ここで、右辺のそれぞれの項の下3桁を考えると、

\displaystyle 2020^5=(202\times10)^5=202^5\times10^5より下3桁は000

\displaystyle 5\times2020^4=5\times(202\times10)^4=5\times202^4\times10^4より下3桁は000

\displaystyle 10\times2020^3=10\times(202\times10)^3=202^3\times10^4より下3桁は000

\displaystyle 10\times2020^2=10\times(202\times10)^2=202^2\times10^3より下3桁は000

よって最初の4項は下3桁が000である数なので、最後の2項の\displaystyle 5\times2020-1のみを考えればよい。5×2020-1=10099より、099

 

解説1

(1) これは慎重に計算すれば必ず正解できるはずです。が、ここでは別解として、次を紹介します。

パスカルの三角形(x+y)nの展開

パスカルの三角形は、非常に簡単なルール書くことができます。

ルール:右上と左上の数字の和を書く

f:id:hby:20181128002646j:plain

一番上の1から初めて、どんどん下の段を追加していきます。上にある2つの数字の和を書いていきます。画像は6段までを表したものです。

パスカルの三角形の重要な性質の1つとして、パスカルの三角形のn+1段と(x+y)nの展開した式の各係数が同じになるというものがあります。

f:id:hby:20181128004103j:plain

また、(x+y)nの項を左から順に見ていくと、xの次数が1つ減ると同時にyの次数が1増えていて、どの項もxとyの次数の合計はnに一致します。

よって、(a-1)5を展開せよと言われたら、パスカルの三角形を6段まで書いて、「1 5 10 10 5 1」を得たら、xとyにそれぞれaと-1を代入していけばよいのです。

1とaの5乗でa5

5とaの4乗と-1の1乗で-5a4

10とaの3乗と-1の2乗で10a3

10とaの2乗と-1の3乗で-10a2

5とaの1乗と-1の4乗で5a

1と-1の5乗で-1

これらをつなげて、

a5-5a4+10a3-10a2+5a-1

 

(2) (1)がa-1という形なので、2019=2020-1とすることに気づけたのであれば答えに近づきます。

下3桁なので、1000で割り切れる項は具体的に計算する必要がありません。

 

 

中学数学(発展)

√2019の整数部分をa,小数部分をbとする。

(1) aとbを求めよ。

(2) \displaystyle \frac{83}{a}+\frac{83}{b}の値を求めよ。

(3) a2019-b2019の1の位の数字を求めよ。

解答2

(1)

\displaystyle 44^2=1396,\ 45^2=2025より、

\displaystyle a=44,\ b=\sqrt{2019}-44

(2)

\displaystyle a+b=\sqrt{2019} に注意して、

\require{cancel}\displaystyle \frac{83}{a}+\frac{83}{b}\\\displaystyle=\frac{83(a+b)}{ab}\\\displaystyle=\frac{83\sqrt{2019}}{44(\sqrt{2019}-44)}\\\displaystyle=\frac{83\sqrt{2019}(\sqrt{2019}+44)}{44(\sqrt{2019}-44)(\sqrt{2019}+44)}\\\displaystyle=\frac{83\sqrt{2019}(\sqrt{2019}+44)}{44\times(2019-44^2)}\\\displaystyle=\frac{\cancel{83}\sqrt{2019}(\sqrt{2019}+44)}{44\times\cancel{83}}\\\displaystyle=\frac{\sqrt{2019}(\sqrt{2019}+44)}{44}\\\displaystyle=\frac{2019+44\sqrt{2019}}{44}

(3)

a=44より、a,a2,a3,...の1の位のみに注目すると、

4,6,4,6,...となるから、a2019の1の位の数字は4

\displaystyle 0<b<1なので、\displaystyle 0<b^{2019}<1

よってa2019-b2019の1の位の数字は3

 

解説2

(3)

a2019は○○○○4という整数で、

b2019は0.○○○...という小数なので、

a2019-b2019は○○○○3.○○○...という数になります。

 

3 数A

20192019を31で割った余りを求めよ。

 31を法とした合同式で考える。

\displaystyle 2019\equiv4\pmod{31}\\\displaystyle2019^3\equiv64\equiv2\pmod{31}\\\displaystyle(2019^3)^5\equiv2^5\equiv32\equiv1\pmod{31}

つまり、

\displaystyle 2019^3\equiv2\pmod{31}\\\displaystyle2019^{15}\equiv1\pmod{31}

よって、

\displaystyle 2019^{2019}\\\displaystyle\equiv(2019^{15})^{134}\cdot2019^9\\\displaystyle\equiv2019^9\\\displaystyle\equiv(2019^3)^3\equiv2^3\equiv8\pmod{31}

よって答えは3

 

 

 

 

 

written by k

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