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中学生でも解ける大学入試数学1★★ 2007年東大

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第一回は東大。2007年文系の第3問(一部文章を変えています)となっています。

 

問題

★★

mがあらゆる自然数をとるとき、5m4の下2桁の候補をすべて求めよ。

 

 

 

 

 ヒント、着眼点

数の性質に関する、よくある問題文の短いものです。これらの問題は、問題文にヒントがない分、自分の知っている数に関する性質、法則か、その場で見つけたルールで何とか答えを導きだすこととなります。かといって、マニアックな定理や法則は一切使いません。

試しにm=1,2,...を5m4に代入してみましょう。

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下2桁のバリエーションが意外に少ないことに気づきます。そもそも4乗した後で5倍しているので、1の位は0か5です。

全ての自然数mについて5m4がいくつになるのか調べることは当然不可能です。なので、下2桁に関するなんらかの規則を見つけてみましょう。もしかしたら10個や20個ごとに繰り返されていたりするかもしれません。

 

さて、下1桁を求める問題ならしばしば見たことがある方もいるかと思います。

下1桁であればそこまで難しくありません。

 

例① 72018の1の位の数字を求めよ。

7を次々かけていくとき、1の位のみを注目していきます。

7×7=49

9×7=63

3×7=21

1×7=7

7を次々かけたとき、1の位が7,9,3,1,7,9,3,1,7,...とループすることが分かります。

2018÷4=504...2より、4つのループを504回繰り返して、あと2つあるから、答えは9

 

例② 1の位の数字が3である2桁以上の自然数nに対して、n2の1の位の数が常に9であることを証明せよ。

解 

1の位の数字が3である自然数nの十の位までの数(nを10で割った商とも言い換えられます。この場合、あまりが3です。)をaとすると、

n=10a+3と表すことができる。このとき、

n2=100a2+60a+9=10(10a2+6a)+9

10(10a2+6a)は10の倍数なので、1の位の数字は0、それに9を足すから、n2の1の位の数字は9(証明おわり)

この証明の手法はかなり重要なので、アイデアを覚えましょう。

 

 

下2桁の数字を知るにはmの下2桁のみを注目すればよいのでしょう。それならば、100の位から上の数字は一切気にしなくてよくなります。つまり、

5m4を計算したとき、

m=1,101,201,301,...はすべて下2桁が同じ。

m=2,102,202,302,...はすべて下2桁が同じ。

m=3,103,203,303,...はすべて下2桁が同じ。

...

m=99,199,299,399,...はすべて下2桁が同じ。

となるから全ての下2桁を出すのに、m=1から99までをすべて計算すれば十分ということになります。

 

これでも数が多すぎて無理だと感じるでしょう。

本当に99個も調べないといけないのでしょうか?もっと調べる数が減らせないでしょうか?

 

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解答

解答①

 

mを10で割った商をa、余りをbとする。つまり、mの10の位までの数をa、1の位の数をbとする。このとき、

m=10a+bと表すことができる。(例えばm=13ならa=1,b=3,m=3981ならa=398,b=1など)

5m4=5(10a+b)4

=5(100a2+20ab+b2)2

=5(10000a4+4000a3b+600a2b2+40ab3+b4)

=50000a4+20000a3b+3000a2b2+200ab3+5b4

=100(500a4+200a3b+30a2b2+2ab3)+5b4

ここで、100(500a4+200a3b+30a2b2+2ab3)は100の倍数。よって5m4の下2桁の数字は5b4のみによって決まる。

つまりmの1の位の数字のみで5m4の下2桁の数字が決まる。mの1の位は0から9の10通りがある。

5×04=0

5×14=5×1=5

5×24=5×16=80

5×34=5×81=405

5×44=5×256=1280

5×54=5×625=3125

5×64=5×1296=6480

5×74=5×2401=12005

5×84=5×4096=20480

5×94=5×6561=32805

上の10個に登場する下2桁が答え。

答え 00,05,25,80

 

解答②

5(10+m)4=50000+20000m+3000m2+200m3+5m4

=100(500+200m+30m2+2m3)+5m4

となるから、mとm+10の下2桁の数字は同じ

よってm=11から先について調べる必要はない。

以下解答①と同じ

 

 

ポイント

この手の問題に、膨大な量を実際に計算させるような問題は1つもない。さまざまな考察をすることで実際に計算しないといけない量を大幅に減らせるようになっている。

この問題もmの1の位のみ気にすればよいという問題であった。

下1桁を求める問題はちらほら見るが、下2桁はどうなるかを考える人はめったにいない。この問題は、「下1桁がどうなるかという問題」をどう応用するかを考える問題だといえます。つまり、下1桁がどうなるかという問題を十分に理解しておく必要がある。

 

 

今回は以上となります。シンプルながら奥が深い、よい問題でした。

 

次回

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written by k

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