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中学生でも解ける大学入試数学56★★ 2019年静岡大

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問題を少し変えています。

 

問題
★★

3桁の自然数の百の位の数をa、十の位の数をb、一の位の数をcとする。

(1) 10a+b-2cが7の倍数ならばもとの自然数は7の倍数であることを示せ。

(2) a≠b, a=cであるとき、もとの自然数が7の倍数となるようなaとbの組は何通りあるか。

 

 

 

 

ヒント、着眼点

倍数判定法の証明に関する問題です。

3の倍数の判定法はよく知られていて、使う機会は多いです。

Aの各位の数の和が3の倍数ならば、Aは3の倍数

123456は1+2+3+4+5+6=21より3の倍数。実際、123456=3×41152

この証明を見てみましょう。今回の問題にも役立つはずです。ここではAが3桁の数である場合を示します。

 

証明

Aの百の位の数をa、十の位の数をb、一の位の数をcとすると、

A=100a+10b+c

と表される。Aの各位の数の和が3の倍数だから、nを整数として

a+b+c=3n

と書ける。このとき

A=99a+9b+(a+b+c)=99a+9b+3n=3(33a+3b+n)

a,b,nは整数だから、3(33a+3b+n)は3の倍数である。よってAは3の倍数である。

 

Aの桁数が変わっても、同様に示すことができます。このように、「〇が3の倍数」とあれば、「nを整数として〇=3nと書ける」とするのが定石です。

 

この3の倍数判定法を証明が理解できたならば、9の倍数判定法の証明がかけるでしょう。

Aの各位の数の和が9の倍数ならば、Aは9の倍数

 では、これらの証明のキーポイントを掴んで、今回の問題も考えてみましょう。ただ、ちょっとひねりをいれる必要があるかもしれません。

 

以下、解答

 

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解答

(1) 解説参照

(2) 11通り

 

 


解説

(1)

3桁の自然数は100a+10b+cを書ける。

10a+b-2cが7の倍数なので、nを整数として

10a+b-2c=7n

と書ける。このとき

100a+10b+c

=(70a+7b+7c)+(30a+3b-6c)

=7(10a+b+c)+3(10a+b-2c)

=7(10a+b+c)+21n

=7(10a+b+c+3n)

a,b,c,nは整数だから7(10a+b+c+3n)は7の倍数である。よってもとの自然数は7の倍数である。

 

100a+10b+c=(90a+9b+3c)+(10a+b-2c)としてもうまくいかず、7の倍数を作るために上のような一工夫をするのが少し思いつきにくいでしょうか。

 

(2)

(1)より、10a+b-2cが7の倍数となることを考えればよい。a=cより、

10a+b-2c=8a+b=7a+(a+b)

7aは7の倍数より、これが7の倍数となるのはa+bが7の倍数となるときで、a+b=7,14となるときであり、

(a,b)=(1,6), (2,5), (3,4), (4,3), (5,2), (6,1), (7,0), (5,9), (6,8), (8,6), (9,5)

の11通り。

 

(a,b)=(0,7) は3桁の自然数でなくなることに注意。

(a,b)=(7,7) はa≠bに反することに注意。

 

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