大学を知ろう!文系編-法学部編
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今回は、一般に「弁護士を目指す人が入る学部」と認識されている法学部の紹介となります。こちらも普段数学記事を書いているkの同級生から紹介コメントをいただきました。
以下、いただいたコメントです。
はじめまして!東京大学大学院 法学政治学研究科 法曹養成専攻 2年のそらいとです!
今回は、法学部についてご紹介します。
法学とは?
社会のルールである法を学び、研究する学問です。「六法」と呼ばれる憲法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法の講義が主に設置されており、憲法・民法・刑法が必修科目に指定されている場合がほとんどです。この他、行政法や国際法など、多様な法律を学ぶことができます。法学部といっても、法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)や官僚を目指す人の割合は多くなく、一般企業に就職する学生が多数を占めます。なぜ社会にはこのルールが存在するのか?このルールはどんなときに適用されるのか?といった知的好奇心が原動力となる学問です。
なお、法学部には政治学科が設置されている場合があります。政治学科では、政治の仕組みや歴史等について学び、研究します。
以下、六法それぞれについて簡単にご紹介します。
憲法
憲法は、最高法規であり、これに反する法律は無効です。最も大きな特徴は、国に対するルールであるということ。「法律」と聞くと、国民を縛るルールというイメージが湧きがちですが、憲法は、国家権力の濫用を防止し、国民の権利・自由を保護するためのルールです。司法試験では、架空の法律が憲法に反するかどうかを検討する問題が頻出です。
民法
民法は、私人と私人との間の法律関係を定めたルールです。例えば、コンビニでお菓子を買う行為は民法555条の売買契約にあたりますし、これによって、民法206条の定める所有権を得ることになります。また、結婚や相続も、民法で定められています。このように、民法は、日常の様々な場面で関係してきます。司法試験では、誰が誰に対してどのような権利・義務を有すのかを検討する問題が頻出です。
商法
商法は、私人と商人・商人と商人の間の法律関係を定めたルールです。商人は、私人とは異なり商売のプロであるため、民法のルールを修正するものとして、商法が存在します。 2006年に、商法の中で定められていた会社に関するルールが、「会社法」として独立しました。会社法では、会社の設立方法や意思決定の方法、役員の責任などのルールが定められています。
民事訴訟法
民事訴訟法は、民事裁判の手続を定めたルールです。例えば、AさんがBさんを車で轢いて怪我を負わせた場合、BさんはAさんに対して、不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)を有することになります。この権利を実現するために、どの裁判所に提訴すれば良いのか、裁判所はどのように審理すべきか......といった手続を定めているのが、民事訴訟法です。
刑法
刑法は、罪と罰を定めたルールです。どのような行為をすると、どのような罪が成立し、どのような罰が科せられるのかを定めてします。例えば、人を殺すと殺人罪が成立し、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処せられます(刑法199条)。
司法試験では、どの行為にどの罪が成立するのかを検討する問題が頻出です。
刑事訴訟法
刑事訴訟法は、刑事裁判の手続を定めたルールです。殺人事件が発生した際に、どのように事件を捜査し、被疑者を逮捕し、裁判所に起訴して、審理を進めるのか......といった手続を定めています。
司法試験では、捜査の適法性や、証拠能力の有無を検討する問題が頻出です。
法学部に向いている人
柔軟な発想ができる人
想像力が豊かな人
中高のうちからこんなことに気を付けて勉強しよう
政治経済の授業を真面目に受けよう!
ルールが存在する理由を考えよう!
以上、法学部の紹介コメントでした。分かりやすく簡潔な説明をありがとうございました。
さて、今回コメントを書いていただいたそらいとさんは刑法ポーカーというカードゲームを考案しています。
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法学部の紹介コメント:そらいと
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