中学生でも解ける大学入試数学65★★ 2017年関西大(改)
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若干簡単な問題になるよう、数字を変えています。
問題
★★
(1) コインを8回投げて、表が一度も出ない確率を求めよ。
(2) コインを8回投げて、表の出る回数がちょうど4回である確率を求めよ。
(3) コインを8回投げて、表の出る回数が4回以下である確率を求めよ。
ヒント、着眼点
(3)まで全て樹形図を描くことで解けなくはありません。かなり広いスペースが必要になりますが。ここでは、このように考えてみます。
コインを8回投げたときの表裏の出方は何通りあるかというと、
28=256通りです。この256通りのうち、条件を満たすような出方がいくつあるかをうまく考えます。
表がちょうど4回でる確率なら、コインを8回投げるうち、何回目と何回目と何回目と何回目に出るかの組み合わせが何通りあるかを考えればよいですね。
もともとの問題は、
(1) 10回振って表が0回の確率
(2) 10回中表が5回の確率
(3) 10回中表が5回以下の確率
です。数字が大きくなるのを避けて8回に変えました。余裕があればこちらにも挑戦してみてください。数字が大きくなるだけで解き方は同じなので。
以下、解答
解答
(1) 1/256
(2) 35/128
(3) 163/256
解説
(1)
28=256通りの表裏の出方のうち、全て裏になる出方は1通りなので1/256
(2)
256通りのうち、表がちょうど4回であるものがいくつあるかを数えます。
1回目から8回目のどこが4回表になるかの組み合わせは、
8C4=70通り。よって、
70/256=35/128
(3) 正攻法
表が4回以下なのは256通りのうち何通りかを数えるために、
①表が0回のもの
②表が1回のもの
③表が2回のもの
④表が3回のもの
⑤表が4回のもの
をそれぞれ求めて足すことで求める。
①表が0回のもの
全て表の1通り。
②表が1回のもの
1回目から8回目のどこが1回表になるかの組み合わせは、
8C1=8通り。
③表が2回のもの
1回目から8回目のどこが2回表になるかの組み合わせは、
8C2=28通り。
④表が3回のもの
1回目から8回目のどこが3回表になるかの組み合わせは、
8C3=56通り。
⑤表が4回のもの
1回目から8回目のどこが4回表になるかの組み合わせは、
8C4=70通り。 (これは(2)で既に求めてある。)
よって、表が4回以下となる出方は、
1+8+28+56+70=163通り。
よって、163/256
(3) ズル
(2)より256通りから表4回裏4回となるのは70通りで、残りは256-70=186通り。
この186通りの内訳は、
表0裏8
表1裏7
表2裏6
表3裏5
表5裏3
表6裏2
表7裏1
表8裏0
となるものである。(表4裏4のみ抜けている。)ここで、この186通りのうち、
表<裏であるものと表>裏であるものがちょうど同数だけあるので、
表<裏(表が0回~3回のもの)であるものは186÷2=93通り。
よって、表が4回以下となるのは、93+70=163通り。
よって、163/256
表<裏となるものと表>裏となるものがちょうど同数ということは、よく「対称性」という言葉で説明されます。
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written by k