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中学生でも解ける大学入試数学64★ 2018年日本大

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小問集合から1つ。

 

問題

係数が整数の2次方程式x^2-Ax+B=0\displaystyle x=\frac{3+\sqrt{5}}{2} を1つの解にもつ。A,Bを求めよ。また、\displaystyle x=\frac{3+\sqrt{5}}{2} のとき、x^4-2x^3-x^2+2x+4 の値を求めよ。

 

  

 

ヒント、着眼点

(1)

A,Bはが整数であることに注意。a,bが有理数で、nが平方数でないとき、
a+b\sqrt{n}=0 ならばa=b=0
ということを使います。

実はこれはマーク問題でして、答えさえ出ればよいので、若干のズルをしてもいいかもしれません。

(2)

\displaystyle x=\frac{3+\sqrt{5}}{2}x^4-2x^3-x^2+2x+4 にそのまま代入すると、ほぼ100%計算ミスをします。"次数下げ"というテクニックがあります。

 

以下、解答

 

 

 

 

 


解答

(1) A=3, B=1

(2) 9+4\sqrt{5}

 

 

 

 


解説

(1) 正攻法

x^2-Ax+B=0\displaystyle x=\frac{3+\sqrt{5}}{2} を代入して、

\displaystyle(\frac{3+\sqrt{5}}{2})^2-A(\frac{3+\sqrt{5}}{2})+B=0\\\displaystyle\frac{14+6\sqrt{5}}{4}-A\frac{3+\sqrt{5}}{2}+B=0\\\displaystyle7+3\sqrt{5}-(3+\sqrt{5})A+2B=0\\\displaystyle(7-3A+2B)+(3-A)\sqrt{5}=0


よって、7-3A+2B=0,\ 3-A=0
すなわちA=3,\ B=1

 

(1) ズル

\displaystyle x=\frac{3+\sqrt{5}}{2} を解に持つなら、どうせ
\displaystyle x=\frac{3-\sqrt{5}}{2} も解に持つ。2次方程式x^2-Ax+B=0 の解はこの2つだろうから、解と係数の関係から、

\displaystyle A=\frac{3+\sqrt{5}}{2}+\frac{3-\sqrt{5}}{2}=3,\ B=(\frac{3+\sqrt{5}}{2})(\frac{3-\sqrt{5}}{2})=1

 

 

(2)

(1)より、\displaystyle x=\frac{3+\sqrt{5}}{2}x^2-3x+1=0 を満たす。ここで、
x^2=3x-1...①
と移項し、①の両辺にx をかけると、
x^3=3x^2-x...②
①の両辺にx^2 をかけると、
x^4=3x^3-x^2...③

 

与式 x^4-2x^3-x^2+2x+4 に③を用いて、
\color{red}{x^4}-2x^3-x^2+2x+4\\=(3x^3-x^2)-2x^3-x^2+2x+4\\=x^3-2x^2+2x+4
さらに②を用いて、
\color{red}{x^3}-2x^2+2x+4\\=(3x^2-x)-2x^2+2x+4\\=x^2+x+4
さらに①を用いて、
\color{red}{x^2}+x+4=(3x-1)+x+4=4x+3
最後に\displaystyle x=\frac{3+\sqrt{5}}{2} を代入して、
4x+3=9+4\sqrt{5}

 

補足

この(2)の③②①を使うところのように、次数の大きな数を次数の小さいものに書き換えていくことを次数下げといいます。今回は、x^2=3x-1 という関係を用いて、

x^4-2x^3-x^2+2x+4\\=x^3-2x^2+2x+4\\=x^2+x+4\\=4x+3

というように、次数を下げる等式変形をしました。このテクニックは次数の高い式の計算でよく使われます。

 

 

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