中学生でも解ける大学入試数学63★★ 兵庫県立大
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うまく数える方法を考える。
問題
★★
次を満たす5桁の自然数の総数を求めよ。
(1) 各桁が1か2で、1と2の両方が用いられている自然数
(2) 各桁が1、2、3のいずれかで、それらがすべて用いられている自然数
ヒント、着眼点
(1) ようするに、1と2を合計5つ1列に並べつつ、1も2も少なくとも1回は使うのは何通りか、と言っています。(2)も同様。
(1)は、やみくもに書き出す方法でも解けるでしょう。
2を1回だけ使うもの
11112
11121
11211
12111
21111
2を2回だけ使うもの
11122
11212
11221
12112
...
コンビネーション(nCr) の計算を知っていれば、さらに早くだせそうですね。
(1)は書き出す方法で解けたとしても、(2)は書き出す方法ではきついでしょう。(1)をやみくもにやらずにうまく解く方法を考え、いい解き方が思いつけば、(2)にうまく活用することを考えましょう。
以下、解答
解答
(1) 30個
(2) 150個
解説
(1)
1,2を最低1回は使う、というのを無視して、
「1,2だけを使って作れる5桁の自然数の総数」
を考えると、どの桁も1,2の2通りが考えられるので、
2×2×2×2×2=32通り
ここで、除外すべき「1か2の片方のみを使ってできる自然数」を数えると、11111と22222の2つで、残りは全て1も2も少なくとも1回は使っている。
32-2=30個
(2)
1,2,3を最低1回は使う、というのを無視して、
「1,2,3を使って作れる5桁の自然数の総数」
を考えると、どの桁も1,2,3の3通りが考えられるので、
3×3×3×3×3=243通り
ここで、除外すべき自然数は、
「1種類の数字しか使わない自然数」と「2種類の数字しか使わない自然数」
である。
「1種類の数字しか使わない自然数」は、11111と22222と33333の3個。
「2種類の数字しか使わない自然数」は、「1,2だけしか使わない自然数」「2,3だけしか使わない自然数」「3,1だけしか使わない自然数」の3つの場合が考えられ、どれも同じ個数だけある。
「1,2だけしか使わない自然数」は(1)より30個。だから、「2種類の数字しか使わない自然数」は30×3=90個
以上から、243-3-90=150個
この問題における「うまく数える」というのは、あとから余分なものを引く、という考え方によるものでした。
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written by k