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中学生でも解ける大学入試数学59★ 2017年お茶女大

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2017年の問題の大問2の途中まで。

 

問題

さいころをn回ふり、n個の出た目の数を全てかけ合わせた数をaとする。

(1) aが素数となる確率をnを用いて表せ。

(2) aが3の倍数となる確率をnを用いて表せ。

 

 

 

  

ヒント、着眼点

中学校でならう確率は答えに文字が入ることはないのですが、確率の求め方さえ分かっていれば十分対処できるでしょう。

例えば、硬貨をn回投げて全て表が出る確率は、

\displaystyle\bigg(\frac{1}{2}\bigg)^n

となりますね。今回の問題の答えはこのような分数が登場します。

 

 

以下、解答

 

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解答

(1) \displaystyle\frac{3n}{6^n}

(2) \displaystyle1-\bigg(\frac{2}{3}\bigg)^n

 

 

 

 


解説

(1) aが素数となるのは、n回中1回だけ素数が出て、他は全て1が出る場合である。1から6のうち素数は2,3,5である。

1回目に素数を出して、2~n回目は全て1を出す確率は、

\displaystyle\frac{3}{6}\times\bigg(\frac{1}{6}\bigg)^{n-1}

1回目に1を出して、2回目に素数を出して、3~n2~n回目は全て1を出す確率は、

\displaystyle\frac{1}{6}\times\frac{3}{6}\times\bigg(\frac{1}{6}\bigg)^{n-2}=\frac{3}{6}\times\bigg(\frac{1}{6}\bigg)^{n-1}

以下同様に、3回目が素数、4回目が素数、...、n回目が素数となる場合も全て確率は同じで、答えは、

\displaystyle n\times\frac{3}{6}\times\bigg(\frac{1}{6}\bigg)^{n-1}=\frac{3n}{6^n}

 

高校数学ではどう考えるかというと、

素数を引く1回、1を引く(n-1)回、がどのような順番で並ぶかどうかが、

{}_n\rm{C}_1=n 通り。

n通りそれぞれの確率は、

\displaystyle\frac{3}{6}\times\bigg(\frac{1}{6}\bigg)^{n-1}

よって、

\displaystyle n\times\frac{3}{6}\times\bigg(\frac{1}{6}\bigg)^{n-1}=\frac{3n}{6^n}

 

 

 

(2)

aが3の倍数にならない確率を求める。

aが3の倍数にならないのは、n回とも1,2,4,5のいずれかを出すときで、

\displaystyle\bigg(\frac{4}{6}\bigg)^n=\bigg(\frac{2}{3}\bigg)^n

よってaが3の倍数になる確率は、

\displaystyle1-\bigg(\frac{2}{3}\bigg)^n

 

 

 

前回

中学生でも解ける大学入試数学58 2015年福井大

次回

中学生でも解ける大学入試数学60 2017年千葉大

 

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