中学生でも解ける大学入試数学21★ 数検準1級
↓ここからカテゴリー別に記事を見ることができます。↓
なんだかんだ21回もやってるこのシリーズ。今回は数検準1級からの問題です。数検準1級は高校3年生レベルです。
問題
★
3つの数 a, 3√3, a+6がこの順番で等比数列になるようなaを求めよ。
ヒント、着眼点
等比数列とは、次々同じ数がかけれらている数列のことです。その値のことを公比と言います。また、数列の最初の値を初項と言います。
例 1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, ...
これは次々2がかけられているので、初項1,公比2の等比数列です。
例 2, 4/3, 8/9, 16/27, 32/81, ...
これは次々2/3がかけられているので、初項2,公比2/3の等比数列です。
「a, 3√3, a+6がこの順番で等比数列になる」とありますが、公比はまだ分かりません。公比を適当に文字で置いてみる方法があります。
また、もう一つ、少しエレガントな方法もあります。
以下、解答
解答
a=3, -9
解説
a, 3√3, a+6
公比をrとすると、
ar=3√3...①, ar2=a+6...②
となるので、この2式を連立してaを求めます。
①よりr=3√3/a これを②に代入するとa(3√3/a)2=a+6
整理するとa2+6a-27=0 よってa=3,-9
a=3なら数列は3, 3√3, 9となって、公比は√3です。
a=-9なら数列は-9, 3√3, -3となって、公比は-1/√3です。
・エレガントな方法
等比数列の連続した3項について、真ん中の項の2乗と両端の項の積は等しくなります。
例えば1,2,4,8,16,32,64,128,...という等比数列の好きな連続する3項をとりだしてみましょう。
1,2,4 これは(真ん中の項の2乗)=(両端の項の積)を満たしています。
8,16,32 これも(真ん中の項の2乗)=(両端の項の積)を満たしています。
というように、等比数列であれば必ず成り立ちます。
連続した3項の最初の項をa,公比をrとするとこの3項はa, ar, ar2と表され、真ん中の項の2乗は(ar)2=a2r2で、両端の項の積はa×ar2=a2r2ということで等しくなります。これを利用して(真ん中の項の2乗)=(両端の項の積)という等式を作れば、
(3√3)2=a(a+6)
よって
a2+6a-27=0
と方程式が簡単に作れ、aが求められます。
※補足
高校では等比数列と一緒に等差数列も習います。隣り合った2項の差が等しい数列のことです。
例:1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,...
等比数列は(真ん中の項の2乗)=(両端の項の積)が成り立ちましたが、等差数列では(真ん中の項の2倍)=(両端の項の和)となります。
7,10,13は等差数列ですが、真ん中の2倍も両端の和も20になります。
前回
中学生でも解ける大学入試数学20 2015年明治大(政経) - 日比谷高校のススメ
次回
中学生でも解ける大学入試数学22 数検2級 - 日比谷高校のススメ
written by k