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中学生でも解ける大学入試数学19★★ 2016年明治大(理工)

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早慶レベル以上の高校入試で出題されそうな問題です。

高校入試ででそうな問題が大学で出題されることは少なくないのかもしれませんね。

 

文章の意味を分かりやすくするために一部問題文を変えています。

 

問題

★★

自然数nに対して、n!が2で割り切れる最大の回数をf(n)とする。

※ n!とは、1×2×3×...×nのことである。

(1) f(7)を求めよ。

(2) f(n)=10となる最小のnを求めよ。

(3) f(n+1)=f(n)+5となる最小のnを求めよ。

(4) f(210)を求めよ。

 

ヒント、着眼点

1からnまでの積が2で何回割れるかを知りたい時、実際に1からnまでの積を計算する必要はありません。1からnの数字を1つずつ見たときに、それぞれの数字が2で何回割れるかを数え、それを全て足せばよいのです。

例えば2×3×5×8×9=2160は2で何回割れるかというと、「2」で1回、「8」で3回割れるので、合計4回割れます。実際に2160を2で割ることをやる必要はありません。

 

このn!がkで何回割れるかを調べる問題はある程度よく出るのでやり方は覚えてしまうのがよいでしょう。

n!を計算したときに末尾に0が何個続くか、という問題もよく見ます。これも大部分が同じ解き方です。

日比谷高校を目指す受験生であれば早慶レベルの私立を併願することがあるでしょう。この問題の(1),(2)くらいは解けるようになっておくとよいと思います。

 

以下、解答

 

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解答

(1) 4

(2) 12

(3) 31

(4) 1023

 

 

 

解説

 (1)  7!=1×2×3×4×5×6×7

2,4,6はそれぞれ2で1回割れます。

さらに、4はもう一度2で割れます。

よって7!は2で3+1=4回割れます。

 

高校入試的なやり方は、

7÷2=3...1

7÷4=1...3

3+1=4

といったところでしょうか。

1つめの割り算の商が2で1回(以上)割り切れる者の個数、

2つめの割り算の商が2で2回(以上)割り切れる者の個数、

を意味します。

nが大きい値だったとしたら、割る数を2,4,8,16,32と大きくしていき商が0になるまでやります。その時は、

3つめの割り算の商が2で3回(以上)割り切れる者の個数、

4つめの...

を意味します。

 

 

(2) 

奇数は2で1度も割れないことに注意しましょう。

それぞれの偶数が2で割れる回数と、その偶数まで1から順にかけた数が2で割れる回数は以下の通りになります。

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よってf(n)=10となるのはn=12,13なので最小をとってn=12

 

(3) 

f(n+1)は(n+1)!が2で割り切れる回数。

f(n)はn!が2で割り切れる回数。

(n+1)!とn!の違いはn+!がかけられているかどうかですので、n+1自身が2で5回割り切れればよいということになります。そのような最小の数は25=32です。

よってn+1=32よりn=31

 

 (4) 

210=1024です。

1から1024までで、2で1回(以上)割れるものの個数は、

210÷2=29個。

2で2回(以上)割れるものの個数は、

210÷4=28個。

2で3回(以上)割れるものの個数は、

210÷8=27

以後、2で4回,5回,...割れるものの個数はそれぞれ26個、25個、...となり、最後は2で10回割れるものは1個となります。

よって答えは1+2+22+23+...+29=1023

 

補足

公式といえるほどのものではないかもしれませんが、

1+2+22+...+2n-1=2n-1

という関係があります。

証明は数学的帰納法(高校で習います)か、1,2,4,...を全て2進数変換してから和を考える方法などがあります。

2進数変換する方法はなかなかエレガントだと思います。

 

 

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