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中学生でも解ける大学入試数学16★★ 2014年早大(政経)

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中学生でも解ける問題となると、どうしても整数問題が多くなってしまうのです。

 

 

問題

★★

x,yを自然数、pを3以上の素数とするとき、以下の各問に答えよ。

(1) x2-y2=pが成り立つとき、x,yをpで表せ。

(2) x3-y3=pが成り立つとき、pを6で割った余りが1となることを証明せよ。

(3) x3-y3=pが自然数の解の組(x,y)を持つようなpのうち、5番目に小さいものの値を求めよ。

 

 

ヒント、着眼点

 素数がある式で表されているときは、まずその式を変形しましょう。(1)も(2も左辺を因数分解できますよね。(因数分解は中3で習います)

例えば(1)は、(x+y)(x-y)=pとなります。pが2つの数の積で表されているのですが、pは素数です。では、x+yとx-yはそれぞれいくつであればよいのでしょうか。

(2)の左辺の因数分解は中学で習う範囲から逸脱しているので、ここに記しておきます。

x3-y3=(x-y)(x2+xy+y2)

 

 

 

以下、解答

 

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解答

(1) x=(p+1)/2,y=(p-1)/2

(2) x3-y3=(x-y)(x2+xy+y2)=p

x-y≦x2+xy+y2で、x,yは自然数なのでx-y=1...①,x2+xy+y2=p...②

①よりx=y+1が得られ、これを②に代入すると、.

(y+1)2+(y+1)y+y2=3y2+3y+1=3y(y+1)+1=p

 ここで、yは自然数なのでyとy+1は一方が偶数で他方が奇数。

よって3y(y+1)は6で割り切れる。

よってpを6で割った余りが1。

(3) 137

 

 

解説

(1)

(x-y)(x+y)=pと変形できるので、x-y=1,x+y=p

これを解くとx=(p+1)/2,y=(p-1)/2。

(2)解答の通り。x,y片方の文字を消去するのはよくあること。

(3) x-y=1という関係に注意して、

(x,y)に(2,1)、(3,2)、(4,3)、(5,4)と順番に与式x3-y3に代入していき、素数になるかどうかをチェックします。そして5番目に小さいものが答えになります。

(2,1) x3-y3=7 素数

(3,2) x3-y3=19 素数

(4,3) x3-y3=37 素数

(5,4) x3-y3=61 素数

(6,5) x3-y3=91 素数でない(91=7×13)

(7,6) x3-y3=137 素数

 91は素数っぽいけど素数でない2桁の自然数として覚えておきましょう。

 

 

 

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