中学生でも解ける大学入試数学8★ 2000年阪大
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個人的に、問題文が短い問題は好きです。洗練されていて、どこか美しさがありますよね。
問題
★
どのような負でない整数m,nを用いても、x=5m+3nという形で表すことができない自然数xをすべて求めよ。
ヒント、着眼点
「全て求めよ」とある問題はだいたい答えがそこまで多くないのです。この手の問題はある値から先になると必ずm,nで表すことができるパターンが多いです。それは、m,nにさまざまな数を代入していくと簡単に予想がたてられるでしょう。
x=1やx=2は無理だろうと直感的にわかるでしょう。少し考えると、x=4,7もダメそうだと気付く人がいるでしょう。
それ以外にはなさそうです。最終的に、次のような予想に行きつきます。
「答えはx=1,2,4,7であり、x=8から先は必ずx=5m+3nで表すことができるのではないか?」
その予想がいかに正しいかをうまく説明してみましょう。大学入試では答えだけでなく考え方、答えの根拠も記述します。
以下、解答
解答
1,2,4,7
解説
x=5m+3n
一番小さな自然数xは、(m,n)=(0,1)を代入したx=3。
ここでnの値を1,2,3,4,...と1つずつ増やしていくと、
x=3,6,9,12,...が得られます。
3で割った余りが0の自然数は全て表すことができます。...①
(m,n)=(1,0)でx=5。
ここでnの値を0,1,2,3,...と1つずつ増やしていくと、
x=5,8,11,14,...が得られます。
3で割った余りが2の自然数は2以外全て表すことができます。...②
(m,n)=(2,0)でx=10。
ここでnの値を0,1,2,3,...と1つずつ増やしていくと、
x=10,13,16,19,...が得られます。
3で割った余りが1の自然数は1,4,7以外全て表すことができます。...③
①、②、③から表せられないものは1,2,4,7
このような問題の記述の仕方はいくつもあります。どのような書き方であっても、以下を守っていれば丸がもらえるでしょう。
答えとなる数字以外は必ず(1通り以上の)表し方があることを述べる
今回はいままでで一番簡潔で簡単な問題でした。
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written by k