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【数学小話】日本にサンタさんは何人いるか

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注意:この記事は少年少女の夢を壊しかねない内容が書かれています。クリスマスにサンタさんからプレゼントをもらっているお子さまは読むことをお勧めしません。

 

 

クリスマス。それは日本中の子供が一年に一回、欲しいものを無条件でもらうことができるイベントである。日本中の子供のもとにプレゼントを届ける「サンタさん」なる人物は、一説によればいかなる強固なセキュリティーで守られた家屋にもたやすく侵入することができ、プレゼントを子供の枕元に置き、跡形もなく去るという、非常に高度な技術を有する人物であるとされる。いままで「サンタさん」による窃盗の被害は一件もないことから「サンタさん」の勤勉で誠実な性格がうかがえる。そんな全国の子供が正体を知りたがる「サンタさん」なる人物について、ある一定年齢に達した人は皆その実態を知っているかのようなそぶりを見せるが、彼らはそれを語ることは一切ないという。

 

 

さて、今回は「サンタさん」なる、日本中の子供にプレゼントを贈る人物が日本中にたくさん住んでると仮定したうえで、日本に「サンタさん」が何人いれば、12月25日未明に全国の子供にプレゼントを届けることが可能かを試算します。要するに「サンタさん」を宅急便の配達員のような集団と仮定して、1晩で日本中の子供たちにプレゼントを配りきるために必要な人数を求めてみます。

 

 

日本の子供の人数

総務省統計局、平成30年5月1日現在の推定値のデータによると、*1

15歳未満人口 1549万3千人

この数字をそのままクリスマスにプレゼントをもらう子供の人数とします。

 

プレゼントの配達能力

「サンタさん」一人につき、最大で何人分のプレゼントまで配ることができるのかを求めてみます。

そこで、日本中の家庭に物を届けるプロであるところの新聞配達について調べてみました。日本新聞会の公表する数字によれば、*2

2017年の新聞販売所従業員数 300909人

2017年の朝刊部数 41188235部

また、朝刊の配達は、2時から6時の間にされる*3ので、4時間の間に300909人

41188235を配るとしてみましょう。

41188235÷300909÷4≒34(部/時)

新聞配達員は1人あたり1時間に34部配達しているということになりました。1家庭に1部ずつ配達するとすれば、新聞配達員は、1時間に34件を回ることができる、ということになります。東京などの家屋が密集している地域ではもっと回れるでしょうし、逆に人口密度の低い地域ではもっと少ないでしょう。

ちなみに、この数字が正しいかどうか調べてみたところ、ヤ〇ー知恵袋などで、新聞配達員の経験者による、少なくて1.5時間で30件、多くて1.5時間で160件などの数字が見られました。1時間あたり34部という数字は真の値より若干少ない結果のように思えますが、まあよいでしょう。

新聞配達はポストに新聞を投げ込むだけですが、「サンタさん」は直接枕元にプレゼントを届けないといけないことを考慮すると、新聞配達員にとっては少ない数字でも、「サンタさん」にとってはちょうどよい数になるかもしれないので、この1時間に34件という数字をそのまま使ってみましょう。つまり、

「サンタさん」がプレゼントを配れる個数 34個/

としましょう。

 

「サンタさん」の人数の試算

プレゼントをもらう人数が1549万3千人

「サンタさん」がプレゼントを配れる個数34個/

 

子供が確実に寝ている間にプレゼントを配る必要がありますが、今回は12月25日の午前0時から午前4時までの4時間が「サンタさん」の行動時間と仮定します。すると、必要な「サンタさん」の人数は、

15493000÷34÷4≒113919

113919人ということになりました。

クリスマスに日本中の子供にプレゼントを配るには最低でも「サンタさん」が約11万人いなければならないということが分かりました。

 

 

日本の各都道府県について考えてみます。都道府県別の子供の割合と「サンタさん」の割合が同じであるとすると、これらのことが言えます。

都道府県別「サンタさん」の人数

東京都 約1万人

鳥取県 約500人

平均 約2500人

 

東京都は都道府県で最も子供が多いところで、鳥取県は最も子供がすくないところです。平均はただ単に47で割っただけです。

 

 

 

調査を終えて

日本の子供の人数を調べてみたら、全国の子供の1/10が東京にいることを知りました。東京だけで毎年1000万近くのプレゼントが配られている計算になります。多い。

 

今回のような、答えの見当もつかないような値を求めるためにさまざまな仮定をして計算することをフェルミ推定というそうです。

 

 

 

 

当然お気づきかと思いますが、ここまで書かれていることは全てジョークです。しかし、面白い小話の1つとして11万人という数字はぜひ覚えてみてはいかがでしょうか。

よいクリスマスを。 

 

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