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日比谷高校2020年(令和2年)国語の解説

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令和になって最初の日比谷高校入試。その国語の解説記事です。

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解説

国語の解説記事は本文、問題文を掲載しません。実際に日比谷高校を受験した方や、問題を持っていて、これから演習するつもりの方へ向けたものとなっています。

大問1:漢字の読み(赤字は難問)

 

⑴ しょうこ(り)

⑵ きょそ (ex)挙措失当

⑶ せつれつ

⑷ しんちょく

じじょうじばく 

 

大問2:漢字の書き(赤字は難問)

 

⑴ 結(わえる)

背信 (ex)背徳

⑶ 一頭地

⑷ 金輪際

博覧強記

 

 

大問3:小説文

 

[問1]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:正答。

P2L10"なんでそんなに〜大切なのか-"

P3L10 "いったいいくつ〜あるいはもっと-。"

イ:誤答。

選択肢"自分だけが〜感動している"に該当する心理描写なし。

ウ:誤答。

選択肢"博物館なんて〜と思っていた"

→"この博物館限定"の話(P2L10)なので誤り。

選択肢"博物館の〜感じはじめている" に該当する心理描写なし。

エ:誤答。

選択肢"戸川への関心が〜"に該当する描写なし。

 

[問2]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

最も間違えやすいと考えられる選択肢。解説は正答である"ウ"を参照。

イ:誤答。

選択肢"自分の考えも〜"に該当する描写なし。

傍線部⑴"戸川の口からも〜"とあるように、ここではあくまで"自分の主張"ではなく"戸川の主張"を優先している。

ウ:正答。

傍線部⑴ "この件" とは"展示室のパネルの所在"ではなく、"ダム建設について"である。

P3L13 "……うちのじいちゃんのことも。"より、朋樹は戸川に対して、自分の祖父がダム建設肯定派であったことを後ろめたく感じていることが窺える。

このことから、朋樹の関心は"パネルの所在に対する戸川の反応"ではなく、"ダム建設に関する戸川の想い"であると読み取れる。

エ:誤答。

選択肢"自分の身内の話〜"について、話のほとんどは"町長の言動"に関するものであり、祖父に関する話は一部であるため誤り。

 

[問3]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

選択肢"研究者としての信念を貫こうとしているのかという疑問"に該当する描写なし。

朋樹が抱えている疑問は正答である"イ"を参照。

イ:正答。

P4L10"あのとき感じた〜できない。"より、ここで朋樹は戸川に対して"博物館で得た驚き"を伝えたいと思っていることが読み取れる。

また、P4L14"言葉じりを軽くしようと必死な"という表現より、自分でも形容できない自身の心の機微をもどかしく感じていることが窺える。

これに対する答えを戸川との対話から見出したいと感じている朋樹の心情を端的に表したイが正答。

ウ:誤答。

選択肢"自分がアンモナイトの研究に対して興味がどんどん強くなっていること"に該当する心理描写なし。

エ:誤答。

選択肢"それが本人に伝わることが照れくさくてごまかそうとした"が誤り。

戸川に強く心が惹かれていることは窺えるが、気恥ずかしさを感じているのは"自身の心の機微"(P4L10)であるため間違い。

 

[問4]

(解答例)

アンモナイトの化石発掘作業に一心不乱に取り組んでいたが、作業を止めた途端に一気に自分の世界から現実へと引き戻された様子。(60字)

P5L27"時おり浮かぶそんな思いも〜アンモナイトの姿-。"より、アンモナイトの化石発掘作業中は自身が抱える漠然とした不安から解放され、ただアンモナイトの化石を取り出すことにだけ集中する朋樹の姿が読み取れる。

また、P5L11"キンキンキン、キンキンキン。"やP5L16"やかましセミの声が谷間に鳴りわたる。"という表現より、作業中は自身が奏でるハンマーの音(=アンモナイトの発掘)しか頭になく、作業を止めた途端に周囲の情報が中に入ってきた(聴覚による描写)ことが読み取れる。

この描写を"自分の世界から現実に引き戻された"と端的に表した。

 

[問5]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

選択肢"自分の本心を〜と分かり"に該当する描写なし。

イ:誤答。

選択肢"将来を見据えて〜自分を励ます気持ち"に該当する描写なし。

ウ:誤答。

選択肢"いずれ〜期待する気持ち"に該当する描写なし。(将来に期待するのではなく、行動に移して現状を打破していきたいと考えている)

エ:正答。

P5L23"わかんねーよ、何もかも。〜気持ちさえ。"にあるように、自分の気持ちが分からないことを認めていることが読み取れる。

また、P5L25"このまま化石になってたまるかってことだ-。"より、このまま埋没するのではなく、"行動に移して現状を打破していきたい"という強い意志が読み取れる。

 

[問6]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

選択肢"朋樹がまだ〜強調している。"が誤り。

イ:誤答。

選択肢"「キンキンキン」〜示している。"が誤り。

ウ:誤答。

選択肢"自身の知らない世界に憧れる朋樹の心情"に該当する描写なし。

エ:正答。

P3"向こう岸にいる戸川","何か言いたげにこちらを見つめてくる"やその他戸川と朋樹の会話口調から、年齢が祖父と孫ほど離れている両者が互いに躊躇いつつも干渉していく様子が読み取れる。

 

大問4:論説文

 

[問1]

(解答例)

人間は「同じ」という概念を獲得した後、他者と相互に同じものを共有して交流するために言葉を生み出した。(50字)

P9L27"人間とは「意識=理性」〜生み出しました。"より、

  1. 「同じ」という概念を獲得
  2. 「等価交換」が可能に
  3. 言葉を生み出す
というプロセスであることがわかる。
特に、「等価交換」=「他者との交流」であり、互いに「同じ」という概念を共有することで可能になるものである。

 

[問2]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

選択肢"「心」といえるものを具体的な実在とひて初めて実感する理論"に該当する記述なし。

イ:誤答。

最も間違えやすいと考えられる選択肢。解説は正答である"ウ"を参照。

ウ:正答。

P10L20"人間は成長するにつれて〜できるようになるというわけです。"にあるように、この理論が示す「心」とは、"自分"ではなく"他人"の心である。

P10L8〜P10L19の実験の例が示すように、他人の「心」を推察する能力を身につける過程についての理論であるという"ウ"が正答。

なお、"イ"については、何も間違えたことは言っていないが本文の内容とは全く関係がないため誤答。

論説文においては、この手の"正しいことを述べているが本文の内容とは無関係"というダミーの選択肢が存在するので、論の展開とともに因果関係を抑えることが肝要である。

エ:誤答。

選択肢"身体を支配する主体としての「心」の優位性を示す理論"に該当する記述なし。

 

[問3]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

選択肢"環境が全てデジタル情報によって構築されて"に該当する記述なし。

イ:誤答。

選択肢"社会のあり方が〜作られ"

→ 脳のアウトプットとして社会が形成

選択肢"人の脳による支配が可能になった"に該当する記述なし。

ウ:誤答。

選択肢に該当する記述なし。

エ:正答。

P10L27"そこでは〜と記しました。"という部分が、自然を含む全ての物が人為的に(=意識的に)作られ配置されているという選択肢の趣旨と一致している。

 

[問4]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

選択肢に該当する記述なし。

本文では"個々の競争"というテーマには触れられていない。

イ:正答。

P10L45"つまり、無意味なものが一切ないのです。" P10L47"同じものが追求される都市化された社会"より、

"都市空間では同質であることを追求される"

"無意味なものは全て排斥される"

"個々人に呼び起こされる感覚が発生しない"

という選択肢の内容に合致する。

ウ:誤答。

傍線部⑷"感覚をそぎ落としている"というのは、"個々人に呼び起こされるべき感覚が発生しない"ということであり、選択肢"個人個人が〜されなくなっている"というわけではない。

エ:誤答。

選択肢"それぞれの個人が〜なっている"に該当する記述なし。

 

[問5]

略(後日、詳細な記事を書く予定です。)

 

 

大問5:現古融合問題

 

[問1]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

選択肢"孤独な松を見放して冷やかに扱おうとしている"にあたる根拠が不適。

イ:誤答。

選択肢"淡々と物の配置を述べる"とは物理的距離であり、ここでは"心理的距離"について言及されているので不適。

ウ:正答。

ここでの"遠い"とは"物理的距離"ではなく"心理的距離"を指すものであり、選択肢"自分とは無関係なものとして表現"という箇所に合致する。

エ:誤答。

"物理的距離"に関する内容であるため不適。

 

[問2]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:正答。

P13"孤独な我を顧みた時、〜すぎないのである。"という箇所に選択肢の内容が合致。

イ:誤答。

選択肢"さりげなくその同化を拒もうとする存在"に該当する記述なし。

ウ:誤答。

選択肢"西行が興味と関心を抱き積極的に捉えようとする存在"に該当する記述なし。

エ:誤答。

選択肢に該当する記述なし。

 

[問3]

心配

本文中Gの句の後の"舟人を思いやるという発想"という箇所より、舟人の境遇を慮る→心配と導く。

 

[問4]

物を見る、

作品を通して見える西行の姿を端的に描写している箇所を探す。
本文P14上段に該当箇所あり。

"物を見る、あるいは聞くことによって、内へ内へととぐろを巻いてゆく思念"(34字)

 

[問5]("P●L⭐︎" = "●ページ⭐︎行目")

ア:誤答。

選択肢"Aの歌において〜として表現し"が誤り。

Aの歌では"松=気心の知れた友"として表現していない。

イ:誤答。

選択肢"自分もそうありたいと願う"に該当する記述なし。

ウ:誤答。

選択肢"西行自身との対照性"が誤り。

P14"そこに自身の境涯との相似を感じている"

エ:正答。

本文中Fの句の後の説明文と選択肢の内容が合致。

"彼はそれらの中に自己を見出そうというような愚挙には出ない。"

"対象を歌うことを契機として、思念はいよいよ外へ向かう。"

"「陸奥の」という歌は、そういう西行の浪漫的、行動的な一面がはしなくも告白されている作品である"

 

長くなったので、講評は次回に回します。

 

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written by Akky

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