日比谷高校のススメ

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数学成分多めです。

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2017/10/29 ブログ開始

東大院数学科を受験しました②

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東大院数学科を受験しました① - 日比谷高校のススメ

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執筆中

 

 

 

大学院受験までどんなことをしたかを振り返る。

 

3年春休み

1年のときに買わされた線形代数の演習書を1周する。1年の時は授業中に指定された問題しか解いていなかったのもあり、はじめて解く問題もあったが、ひと月で1周させる。ジョルダン標準形はやっていない。

早稲田の院を一般受験する時にTOEICTOEFLのスコアを提出することを知り、TOEICの勉強のためにTOEICの勉強本を買って勉強する。

 

4年4月

院試の情報を求めて院試ガイダンスに出る。そこで言われたこと。

・早稲田の院に進むなら推薦が使える。ただし他大学を受験しないなら。

・他大学を受験するなら、早稲田の推薦は使えず、早稲田の院も一般受験をすることになる。

・早稲田の院を一般受験するならTOEICTOEFLのスコアを出願時に提出しなければならない。ただし、出願に間に合うTOEICの試験日はもうありません。(TOEFLを受験してね)

これを聞いてTOEICの本を買って勉強していたのにずっこける。ここで英語の勉強のモチベーションが消える。TOEFLは受験したことないけど、出願に必要なスコアはTOEICの550程度と知り、大学1年の時に受けさせられたTOEICで700くらいとっているし、まあ新しく本を買ってやるまでもないか、と思う。そしてTOEFL本番、TOEICと全く試験形態が違って全くうまくできなかった。そしてスコアがなんと出願基準に2点足りなかった。大学3年間の間に英語力がなまりまくっていた。正直アホすぎると今思う。しっかり勉強して基準を満たしていたらもっと心理的に余裕を持っていれたのに。ちなみにTOEICはそこそこだが、TOEFLは受験料が高い。3万とかした。実質3万をどぶに捨てたのである。自分がバイトでためたお金なのでまだよい。

これで早稲田の院は受験できず、他大学の大学院に合格しないとニートになることが確定。東工大と京大と東大の院を受験することを決意。ちっぽけなプライドのせいで、早稲田より簡単な大学院は受験したくなかった。

早稲田の同じ研究室の友人に一人同じく国立大学院受験を考えている友人がいた。その友人は同じくTOEICがないことを知り、他大学院受験をあきらめ、早稲田の推薦で早稲田院に進学することに。その友人が買っていた大学院受験のための数学書を譲り受ける。

大学院受験勉強が本格的に始まる。

4年5月~7月

背水の陣という言葉が常に頭を支配する中、

・授業の予習復習

・塾講師のバイト

・このブログの執筆

・大学院受験勉強

(・趣味の時間)

というマルチタスクに追われる。

 

・授業の予習復習

大学4年生は授業が少ない傾向があり、私もそうだった。一番時間がかかるのが、講究の予習。講究はゼミともいうが、同じ研究室の同じ学年の人で集まって、1年間かけて1冊の数学書を読み通す、というもので、毎回生徒が順番に黒板の前に立って授業というか発表をする。発表は2週間に1回あり、そのために数学書の少し先の内容までを事前にノートにまとめておかなければならない。発表の準備のために1回につき10時間くらいかかる。

・塾講師のバイト

月木土の夜に個別指導の授業がある。月曜は20時からの1コマ、木土は18時半から2コマ授業があった。大学院受験のためにバイトを減らすことはしなかった。それはこの教室では慢性的に講師不足気味なのと、どうしても私に授業をしてほしいという生徒が3人いたのもある。単純に大学院受験の息抜きになると思ったのもある。

・ブログの執筆

最近私しか記事を書いていないのでもはや個人のブログとなりつつある。その私も大学院受験中は2週間に1回の「中学生でもシリーズ」くらいしか書かなかった。このシリーズは4週間に1回思い出して、大学の過去問を漁って記事を2本書く、というのを繰り返すだけで、そんなに時間はとられなかった。

・大学院受験勉強

上でとられる時間のうち残った時間はここに費やす。大学で授業が15時くらいに終わって、そのあと図書館に行き自習スペースに18時まで勉強。家に帰り夜ご飯を食べたらマックやカフェに行って23時まで勉強。これをなんとか習慣づけた。

土日は昼ご飯を食べたあと大学の図書館か地元の図書館に行って夜まで勉強。

勉強した本

①明解演習 線形代数 共立出版

②明解演習 微分積分 共立出版

イプシロン・デルタ論法完全攻略 共立出版

④詳解と演習 大学院入試問題〈数学〉 数理工学社

⑤集合と位相の演習書多数

複素関数の教科書、演習書多数

⑦大学院への幾何学演習 現代数学社

⑧その他分からない問題があったらそれに関する本たくさん

 

①②③は5月までに一周して放置。④は友人から譲り受けたけどそんなに使わなかった。⑤⑥は演習書は2冊ずつくらいやった。全部は解かず、必要そうな単元をかいつまんで解いた。たとえば複素関数であれば、特に複素積分を利用した実関数の積分の問題をやった。

ここまで数学基礎のための本。

⑦は数学専門のためで、ホモロジーの計算や微分幾何の演習。正直まだ習っていない内容も多く、1/4くらいはそもそも理解不能だった。習っている内容の部分だけをまず読み、過去問をみてこれはやっとかないといけないと思った部分は追加で自分で調べて勉強した。(図書館から本を借りたり、ネットで大学の講義pdfを拾う)

また、過去問や演習書の演習で、なかなか自分だけで解決できない時は同じ学科の友人に質問したりもした。大学に置かれているホワイトボードで友人と過去問を解いたりもした。これはこれで楽しかった。

 

 

・趣味の時間

23時に帰ってきたあとゲームをする。たまに1時2時までやることも。

毎週木曜の昼すぎから夕方は、このブログの執筆者でもあるHと集まって集合位相の勉強会をする。集合位相の本を囲みながら、私がHに集合位相の授業をするような感じ。

毎週火曜の20時から22時は、同じ中学で横国大に行き、東工大院を受験予定の友人と集まって数学の勉強会をやった。彼は数学科でなく物理の材料系の学科だったので、数学といっても線形代数微積微分方程式だけ。毎週院試の過去問か問題集を一緒に解く。

 

週に2,3回くらい勉強をはやく切り上げてゲームセンターに行って音ゲーをやる。突発的にどうしても音ゲーがしたくなった時に行っていた。

 

4年7月後半~4年8月

大学が夏休みに入る。塾の夏期講習は7月末まで入って、8月は一切バイトをしないことにした。こちらの身勝手な希望通りにシフトを組んでくれた塾の教室長に感謝。(あと私がいない分、夏期講習で数学の授業をほぼやってくれたSさん(名前は伏せる)にも感謝。)

7月下旬あたりから院試の過去問を解き始める。おおまかに解いた順番は、東工大基礎→京大基礎→東大基礎→東工大専門→京大専門→東大専門であった。基礎は最初から7割8割は解けた。できない問題があったらその分野の教科書を図書館から持ってきて読む、解説付きの演習書を見て似た問題を探す、を繰り返して解けるようにした。(もちろん分からず仕舞いの問題もあった)

対照的に専門はぜんぜん解けない。問題文に知らない単語がでてくるものも多く、ホモロジー群の計算か微分形式、簡単な複素関数微分方程式しか挑戦権がなかった。(ガロア群を求める問題も少し可能性はあった)ネットで調べた限り専門そんなにできなくても受かるということは知っていたので、そこまで深刻に思いつめたりはしなかった。

大学の数学科では、高校までと違い、数学科に進んだ先で各人が代数、解析、幾何などと別れてそれぞれ違う授業を受けることが多い。自分は代数少しと幾何の授業はとっていたが解析ほとんど取っていなかった。そのため専門の問題のうち、解析の問題は基本的に解けるわけがなく、幾何を解くしかなかった。

英語はほぼノー勉。講究で読んでいた2冊の本のうち片方は英語でかかれた数学書だったのもあり、きっと行けると思っていた。ただ、線形代数微積集合位相の基本的な用語を英語で何と言うかは事前にすこし覚えた。

 

 

そして入試本番を迎えるのであった...

 

 

こうして振り返ってみると、わりと趣味の時間があると感じた。

次回で終わらせます。多分。

 

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東大院数学科を受験しました① - 日比谷高校のススメ

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written by k

東大院数学科を受験しました①

タイトルの通りです。東大院数学科を受験しました。そのレポートをお届けします。問題の振り返り、反省を赤裸々につづります。

大学の数学科に興味がある人、これから数学科の院試を考えている人の参考になると思います。

 

大学院の入試問題がどんな感じかをまず見てみましょう。こまかい反省や受験生へのアドバイス的な物は次回に。

 

大学院入試

そもそも大学院入試は大学入試と違い、国立大学であっても複数受験できます。大学入試と違い日程が大学ごとに違うからです。例えば2020年度入試では東工大院は8/16,17、京大院は8/24,25、東大院は8/26,27です。私はこの3つを受験しました。

結論からいうと、筆記試験は3つとも合格しました。今現在、院試を全て終えて落ち着いたので記事を書いています。合格したかどうかはまだわかっていません。

 

大学院入試は、筆記試験と面接があります。

筆記試験は数学科は数学2つ、英語1つの試験を解きます。この結果をもとに筆記合格者を決め、残った人が面接に進みます。

面接では、自分1人対教授複数で面接が行われます。大学や分野によって教授の人数は変わります。ちなみに京大の面接は自分1人対教授20人でした。たくさんの目が同時にこちらを見定めるような目つきで見てきます。黒板に数式を書き間違えたりすると、2秒で「その式間違ってますよね」とか言われます。もうやりたくないです。

 

さて、数学科は特別ですが、ほかの理系の科では、英語の試験を行わない代わりにTOEICなどの外部試験の結果を出願時に提出しなければならないことがほとんどです。大学によってはTOEFLじゃないとだめ、など色々あります。数学科も大学によっては外部試験で英語を済ませるとこもあります。たしか基準スコアはTOEICで600くらいです。

 

では東大の院試の振り返りをしていこうと思います。まずはどんな感じの試験であったかを見てみましょう。

英語

東大院数学科の英語は毎年問題が決まっています。

和訳2問、英訳1問

和訳は、数学のエッセイ(昔の数学者についての文章)を訳すものと、英語で書かれた数学の教科書を訳すものがでます。エッセイはオイラーゼータ関数に関する文章でした。教科書は微分方程式でした。ちょっと見てみましょう。

Definition. An expression of the form

{\bf F}(D^k{\bf u}(x),D^{k-1}{\bf u}(x),...,D{\bf u}(x),{\bf u}(x),x)={\bf0}\ \ \ (x\in U)

is called a k^{th}-order system of partial differential equations, where

{\bf F}:\mathbb{R}^{mn^{k}}\times\mathbb{R}^{mn^{k-1}}\times...\times\mathbb{R}^{mn}\times\mathbb{R}^{m}\times U\rightarrow \mathbb{R}^{m}

 is given and

{\bf u}:U\rightarrow\mathbb{R}^{m},\ {\bf u}=(u^1,...,u^m)

 is the unknown.

うーん、おそらく数学科でなければ何言ってるかさっぱりだと思います。実は式や記号が多く、訳すときに日本語が少なくなるのである意味楽です。

 

英訳は、日本語で書かれた数学の教科書をそのまんま持ってきて、これを英訳せよ、というものが出ます。

\{f_1,...,f_m\} を正規直交系、すなわち、(f_i,f_j)=\delta_{ij}\ (1\leq i,j\leq m) なるベクトルの集合とすれば、次のようなことが成立する:

x=c_1f_1+...+c_mf_m,\ y=d_1f_1+...+d_mf_m

に対して、(x,y)=c_1d_1+...+c_md_m.

 逆にこのような性質をもつベクトルの集合\{f_1,...,f_m\} は正規直交系である.

 正規直交系である基底を正規直交基底という. 一般に\mathbb{R}^nの任意の部分空間Wが与えられたとき、Wの基底として正規直交系がえらべるか?それは常に可能である.

この問題がきつい。年によって線形代数だったり集合論だったりと、分野の予想がしずらい上、数学用語を英語でどう言うかをたくさん覚えないといけません。

 

いろいろ書きましたが、英語は受験生の差がほぼつかず、合否に影響しないです。

 

数学基礎

数学科が1~2年で習う内容の問題。ここが一番の稼ぎどころ。

線形代数微積が必答問題で、のこりからさらに2つを選択して合計4問解きます。私は微分方程式と集合位相を選びました。選択問題は他に、難しめの線形代数、難しめの微積級数の収束がありました。

 

数学専門

数学科が3~4年で習う内容の問題で、難問ばかりです。

問題は3問選ぶようになっていて、代数4、幾何4、解析5、その他5 からなります。その他は、微分方程式グラフ理論、確率統計などです。

期末試験レベルを十分超えていて、レポート課題として1,2週間かけて考えて解いてこい、と言われてもおかしくないレベルの問題かもしれません。

 

筆記は以上です。どの大学も上で述べたことがだいたい共通すると思います。

 

面接

大学院でどんなことを勉強したいか、などのおきまりの質問や、自分の専攻する分野に関する基礎的な知識を問う質問もあります。そこで数学的に間違ったことを言うと2秒で「それって〇〇ですよね」と指摘されます。人によってはかなり恐怖を感じると思います。さらに恐ろしいのは、筆記試験で解けなかった問題をいまここで黒板に解きなおししろ、なんてことを言われたりします。筆記試験で解けなかった問題がここで急に解けるようになるわけがありません。つまり、筆記試験が終わった直後から面接までの間に必死に調べて解かなければならないのです。(調べれば解けるとは言っていない) ちなみに筆記合格発表はその日の夕方や、遅くても次の日にはでます。猶予は1,2日しかないのです。

 

 

数学基礎と専門に共通していえることは、試験時間が長く、集中が途切れることに注意したい、ということです。自分も基礎の残り30分くらいは、計算ミスをたくさんしたり、今思えば簡単に思えることが全くわからずに悩んだりしていました。

基礎の試験時間は3時間、専門は4時間です。こんなに長い時間ずーっと考え続けるのは大変です。

 

長くなったのでここまで、次回は問題を詳しく見たり、院試の勉強はこうすればよかったなどの反省をしていきます。

 

次回

東大院数学科を受験しました② - 日比谷高校のススメ

 

 

written by k

中学生でも解ける大学入試数学57 2018年防衛大

問題を少し変えています。

 

問題
★★

\displaystyle x=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{\sqrt{3}-\sqrt{2}},\ y=\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{\sqrt{3}+\sqrt{2}} のとき、x^6+y^6 の値の1の位の数字はいくつか。

 

 

 

 

 

ヒント、着眼点

難関高校受験でも出る基本対称式を使う問題。x^6+y^6x+y,\ xy の組み合わせで表すことを考えればよさそうです。

 

たとえ分からなくても、0から9のどれかを書けば1/10で当たります。

 

 

 

以下、解答

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解答

8

 

 

 


解説

まず、x,\ y を有理化してみる。

\displaystyle x=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}\\\displaystyle =\frac{(\sqrt{3}+\sqrt{2})(\sqrt{3}+\sqrt{2})}{(\sqrt{3}-\sqrt{2})(\sqrt{3}+\sqrt{2})}\\=5+2\sqrt{6}

同様にして、y=5-2\sqrt{6} を得る。よって、

x+y=10 である。また、

\displaystyle xy=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}\times\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}=1 である。(うまく約分される)

x^2+y^2=(x+y)^2-2xy=10^2-2\times1=98

x^3+y^3=(x^2+y^2)(x+y)-xy(x+y)=98\times10-1\times10=970

x^6+x^6=(x^3+y^3)^2-2x^3y^3=(x^3+y^3)^2-2(xy)^3=970^2-2

 

ここで、970^2の1の位の数字は0より、それから2を引くと、1の位の数字は8

よってx^6+x^6 の1の位の数字は8

 

 

補足

この問題は1の位だけを求めればよいので、970^2-2 をまじめに計算しないように。

x^6+y^6 を作るのに、今回はx^2+y^2→x^3+y^3→x^6+y^6 というルートをとりましたが、他にもx^2+y^2→x^4+y^4→x^6+y^6 としても求められます。が、前者の方が楽だと思います。(ぜひ後者のルートもやってみてください)

 

参考: x^6+y^6=940898

 

 

 

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中学生でも解ける大学入試数学56 2019年静岡大 - 日比谷高校のススメ

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written by k