日比谷高校のススメ

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2017/10/29 ブログ開始

中学生でも解ける大学入試数学54 1999年大阪大

問題
★★

自然数の組(a, b)で、aからbまでの自然数全ての和が500となるようなa, bの組を全て求めよ。ただしa<bとする。

 

 

ヒント、着眼点

aからbまでの自然数全ての和は、aとbを用いてどのように表されるのかが重要になりそうです。

さて、このような公式をご存知でしょうか。

1からnまでの自然数全ての和は、

\displaystyle\frac{n(n+1)}{2}

と表される。

 この公式の証明のアイデアが、aからbまでの和を求めるのに役立ちそうです。

証明

1からnまでを横にならべ、その下にnから1までを並べる。縦に並んだ2つの数を見ると、どれも和がn+1になっている。この和がn+1である2つの数字の組がn組あり、それらの和はn(n+1)となる。これは(1からn) 2セット分に相当するから、1からnまでの和は\frac{n(n+1)}{2}となる。下図参照。

f:id:hby:20190608003734j:plain

 

以下、解答

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解答

\underline{(a,b)=(8,32),(59,66),(98,102)}

 


解説

aからbまでの和は、(1からbまでの和)-(1からa-1までの和)と表される。よって、

\displaystyle \frac{b(b+1)}{2}-\frac{(a-1)a}{2}=\frac{b(b+1)-(a-1)a}{2}

と表される。これが500と等しいから、

\displaystyle\frac{b(b+1)-(a-1)a}{2}=500\\ b(b+1)-(a-1)a=1000

ここで、左辺を因数分解すると、

b(b+1)-(a-1)a\\=b^2+b-a^2+a\\=b^2-a^2+b+a\\=(b^2-a^2)+(b+a)\\=(b+a)(b-a)+(b+a)\\=(b+a)(b-a+1)

となる。また、1000=2^3\times5^3であるから、

(b+a)(b-a+1)=2^3\times5^3

となる。b+a,\ b-a+1 の値としてとり得るものを考える。

まず、a,\ b自然数だから b+a>0...①である。よって、積が1000ということから、 b-a+1>0...②でなければならない。また、明らかにb+a\geqq b-a+1...③ である。

a,\ bの偶奇によらず、b+a,\ b-aの偶奇は一致するから、b+a,\ b-a+1の偶奇は一致しない...④ つまり、片方が偶数ならば、もう片方は必ず奇数である。

①,②,③,④を考慮すると、考えられる値の組は、

b+a=1000,\ b-a+1=1\\b+a=200\ \ ,\ b-a+1=5\\b+a=40\ \ \ \ ,\ b-a+1=25\\b+a=125\ \ ,\ b-a+1=8

これらで全てである。

\cases{b+a=1000\\b-a+1=1}

これを解くとa=b=500となって、a<bに反する。

\cases{b+a=200\\b-a+1=5}

これを解くとa=98,\ b=102となる。

\cases{b+a=40\\b-a+1=25}

これを解くとa=8,\ b=32となる。

\cases{b+a=125\\b-a+1=8}

これを解くとa=59,\ b=66となる。

 

以上より、

\underline{(a,b)=(8,32),(59,66),(98,102)} 

 

 

補足

1からnまでの自然数全ての和は、

\displaystyle\frac{n(n+1)}{2}

と表される。

 これを使えば、1からa-1までの和は、nにa-1を代入すれば、

\displaystyle\frac{(a-1)a}{2}

となります。

 

b+a=1000,\ b-a+1=1\\b+a=200\ \ ,\ b-a+1=5\\b+a=40\ \ \ \ ,\ b-a+1=25\\b+a=125\ \ ,\ b-a+1=8

これらの組をもれなく全て見つけるには、1000の素因数分解の結果を利用します。1000=2^3\times5^5なので、b+a,\ b-a+1 どちらかに2^3が入ります。偶奇が異なる、ということから、片方に2^2、もう片方に2という様な振り分けはできません。(どちらも偶数になってしまうため)

b(b+1)-(a-1)a因数分解は、受験生であればスラスラとできて欲しいところ。

 

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written by k

【数学小話】1,2,3,〇,5,...さて、〇に入るのは?

簡単な問題を出します。

1,2,3,〇,5,...

さて、〇に入るのはいくつ? 

 いやー簡単ですねぇ。当然答えは2019です。当たり前ですね。

え?答えは4じゃないかって?いやいや。

この数の並びは、

\displaystyle -\frac{2015}{6}x^4+\frac{22165}{6}x^3-\frac{82615}{6}x^2+\frac{122921}{6}x-10075

x=1,2,3,4,5,...を順に代入したものですから。4になるわけがありません。ちなみに6以上を代入すると全然違う数になります。0以下も同様。

 

茶番終わり

 

ということで、今回の話は、好きな値を代入して好きな値になるような関数を作る話です。上で登場した4次多項式も、この方法を用いて作りました。

 

・n個の点を通る多項式

中学2年で、一次関数を習います。ここで、2つの点を通る直線の式を求める方法を習います。2つの点を通る直線の式は、y=ax+bと書けます。

高校では、3つの点を通る2次関数の求め方を習います。

3つの点を通る式は、y=ax^2+bx+cと書けるのです。

これを一般化すると、n個の点を通る式は、n-1次多項式で書けるのです。*1

実は、与えられたn個の点を通るn-1次多項式は1つだけ存在します。*2

 

・ 中学生的なやり方で求める

ではnが小さい値の時で、具体的にやってみます。

例題

(1,1), (2,4), (4,22)を通る2次多項式を求めよ。

解答

y=ax^2+bx+cとおく。(1,1)を通るから、

1=a\times1^2+b\times1+c...①

(2,4)を通るから、

4=a\times2^2+b\times2+c...②

(4,22)を通るから、

22=a\times4^2+b\times4+c...③

①,②,③を連立して解くと、

a=1,b=2,c=-2

よって、

&nbsp;x^2+2x-2

 

この解法に習えば、もし点が4個ならy=ax^3+bx^2+cx+dとおいて、4つの点の座標を代入して4つの式を作り、連立方程式を作って解く。一般に点がn個ならy=a_1x^{n-1}+a_2x^{n-2}+...+a_{n-1}x+a_{n}とおいてn個の式からなる連立方程式を作れば理論上解けるはずです。

しかし、文字が多くなると連立方程式を解くのが面倒です。そこで、同じ問題で次の方法を見てみます。

 

例題

(1,1), (2,4), (4,22)を通る2次多項式を求めよ。

さて、唐突ですが、(x-2)(x-4)というものを考えます。これは、x=1を代入したときは0でない何かになり、x=2,4を代入したときは0になります。

(x-1)(x-4)を考えます。これは、x=2を代入したときは0でない何かになりますが、x=1,4を代入したときは0になります。

(x-1)(x-2)ではどうなるかは書かなくてもわかるでしょう。

この使い勝手の良さを利用して、このように解くことができます。

解法

y=a(x-2)(x-4)+b(x-1)(x-4)+c(x-1)(x-2) とおく。(1,1)を通るから、

1=a(1-2)(1-4)+0+0

(2,4)を通るから、

4=0+b(2-1)(2-4)+0

(4,22)を通るから、

22=0+0+c(4-1)(4-2)

これらから、a=\frac{1}{3},b=-2,c=\frac{11}{3}

これをもとの式に代入して整理すると、

x^2+2x-2となる。

 

このように、与えられた点のx座標1つをのぞいた全てを代入したら0になるものを用意すると、1回の代入で1つの文字が求まるのです。かなり画期的です。分数がでてきてそれはそれで面倒ですが、連立方程式を解かなくても求められるという点がよいです。

さて、今の解法に、

1=a(1-2)(1-4)+0+0

4=0+b(2-1)(2-4)+0

22=0+0+c(4-1)(4-2)

この3つの式がでてきました。これらをすこしいじれば、

a=\frac{1}{(1-2)(1-4)}

b=\frac{4}{(2-1)(2-4)}

c=\frac{22}{(4-1)(4-2)}

が得られます。すると、y=a(x-2)(x-4)+b(x-1)(x-4)+c(x-1)(x-2) に代入して、

\displaystyle y=\frac{(x-2)(x-4)}{(1-2)(1-4)}+4\frac{(x-1)(x-4)}{(2-1)(2-4)}+22\frac{(x-1)(x-2)}{(4-1)(4-2)}

a,b,cという変数がなくなりました。つまり、最初から求める多項式が形式的に与えられているということです。この式の見た目をよーく観察すると、次のことが言えます。

3点(a_1,b_1),(a_2,b_2),(a_3,b_3)を通る2次多項式は、

\displaystyle\large y=b_1\frac{(x-a_2)(x-a_3)}{(a_1-a_2)(a_1-a_3)}+b_2\frac{(x-a_1)(x-a_3)}{(a_2-a_1)(a_2-a_3)}+b_3\frac{(x-a_1)(x-a_2)}{(a_3-a_1)(a_3-a_2)}

 と表される。

最初の項を見ると、1つめのy座標に、ある分数がかけられていて、その分数は、分子が(x-(1つめでないx座標))の積、分母は(1つめのx座標-1つめでないx座標)の積となってます。2つめ以降の項も同様です。

そして、これは点の個数が増えても通用します。では、この記事冒頭のやつをやってみます。

 

問題

(1,1),(2,2),(3,3),(4,2019),(5,5)を通る4次多項式を求めよ。

解答

公式に当てはめる。

\displaystyle y=1\frac{(x-2)(x-3)(x-4)(x-5)}{(1-2)(1-3)(1-4)(1-5)}+2\frac{(x-1)(x-3)(x-4)(x-5))}{(2-1)(2-3)(2-4)(2-5)}\\\displaystyle\ \ \ +3\frac{(x-1)(x-2)(x-4)(x-5)}{(3-1)(3-2)(3-4)(3-5)}+2019\frac{(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)}{(4-1)(4-2)(4-3)(4-5)}\\\displaystyle\ \ \ +5\frac{(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)}{(5-1)(5-2)(5-3)(5-4)}

これを整理すると、

\displaystyle -\frac{2015}{6}x^4+\frac{22165}{6}x^3-\frac{82615}{6}x^2+\frac{122921}{6}x-10075

となる。

 

展開して整理するのは気合でやりました。(PCによる計算を併用)

ということで、皆さんもぜひ好きな点を通る多項式を作って遊んでみてください。点の個数が増えすぎると手計算では不可能になるので、規模はほどほどに。

 

 

最後に、一般にn+1個の点を通るn次多項式はどう書けるかを見てみます。

ラグランジュ補間

n+1個の点(a_0,b_0),(a_1,b_1),(a_2,b_2),...,(a_n,b_n)を通るn次多項式L(x)は次のようにあらわされる。

\displaystyle\large L(x)=\sum_{i=0}^{n}y_i F_i(x)

ただし、\displaystyle F_i(x)=\prod_{k\neq i}\frac{x-x_k}{x_i-x_k}

結構複雑なので詳しい説明はやめます。\sumは高校で習う総和を表すもので、この文字はギリシャ文字のシグマです。\prodは総乗を表すもので、ギリシャ文字のパイです。詳しいことは高校で習うか各自調べてください。(丸投げ)

 

 

written by k

*1:実際は、n-1次以上多項式です。例えば、与えられた2個の点を通る5次多項式を作ることもできます。

*2:例外あり。例えば、(1,2)と(1,3)を通る多項式はありません。例えば、(1,1),(2,2),(3,3),(4,4)を通る多項式はy=xで、3次多項式ではありません。

中学生でも解ける大学入試数学53 1998年横浜国立大

 

問題

平面上に一辺4の正三角形がある。0<r<1として、平面上にある半径rの円が、その中心がこの正三角形の辺上を一周するように動くとき、この円が通過する部分の面積を求めよ。

 

ヒント、着眼点

まずは自分で図を描きましょう。正確に描きましょう。

どこがとんがった角で、どこが丸い角かを間違えずに図が書けることが最初の関門でしょう。

もし正しく図が描けたら、うまく図形を分割するなりして面積を出しましょう。

ヒント:この公式が使えるかもしれません。高校受験生なら覚えるべきものです。

一辺の長さがaである正三角形の高さは、

\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}a

面積は、

\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{4}a^2

難関校を目指す受験生なら、この公式の導出も説明できるようになるべきでしょう。正三角形を半分に切って、1:2:\sqrt{3}を使えばすぐ出ます。

 

 

 

以下、解答

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解答

\underline{24r+(\pi-3\sqrt{3})r^2}

 


解説

f:id:hby:20190529214657j:plain

図はこのようになります。外側は丸い角で、内側はとんがります。もしこれがうまく想像できないのであれば、このように考えてみてください。

円をいきなり一周するのではなく、まずは左上の一辺の上を動かしてできたものを考えます。右上の一辺の上を動かしたものも用意して、この2つを重ねたと思えば、内側はとんがることも納得できるでしょう。

f:id:hby:20190529220723j:plain

では、面積を求めてみましょう。そのために、次のように分割していきます。

f:id:hby:20190529225056j:plain

① 4×rの長方形3つ

4r\times3=\underline{12r}

② 半径r、中心角120°の扇形3つ→くっつけて1つの円

\underline{\pi r^2}

③2つの正三角形に挟まれた部分→うまく切って台形3つ→さらに切って長方形と正三角形3つずつ

・正三角形3つ \displaystyle\frac{\sqrt{3}}{4}(2r)^2\times3=\underline{3\sqrt{3}r^2}

・長方形、縦はr、横は4-(正三角形の高さ×2)=4-2\sqrt{3}rだから、3つで面積はr(4-2\sqrt{3}r)\times3=12r-6\sqrt{3}r^2

 

以上から、全てを足せば、

12r+\pi r^2+3\sqrt{3}r^2+12r-6\sqrt{3}r^2=\underline{24r+(\pi-3\sqrt{3})r^2}

 

 

 

かなり計算量のある大変な問題でした。  

 

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